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「せん...せ...」
ユウは目の前の椎名に向かってつたない言葉で思いを伝えようとする
「ユ...ウ....や?」
「うん?なぁに?」
椎名はユウの言いたいことを読み取ろうと拭いていた手を止め覗き込む
「せんせ......や?....ユウ...や...?」
”せんせぇもユウが嫌?”
しきりに上目遣いで訴える言葉が分かった時、椎名は愕然とした
好きな人に嫌われるのも、捨てられるのも、それをただ何もできずにいる自分自身も...もうユウは何もかもが嫌だった
椎名は今にも泣き出しそうなユウを思わず抱きしめて腕に力を込める
「そんなわけない!!あるわけないよ!!」
ユウの気持ちが痛いほど分かる
急に一人きりで外の世界に放り出されたユウにとって頼れるものは椎名しかいない
抱きしめた華奢な身体から小さな震えが伝わってくる
これからはそんなユウの気持ちも椎名は受け止めてやらなければいけないのだ
長い時間をかけて"そうではない"事を伝えていかなければならない
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