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彼は君を嫌いになったわけじゃない
見捨てたりなんかしない
「ユウくんが大好きだから傷つけたくないんだよ」
「ぁう......」
怪訝そうな顔は納得がいかないのか、理解できていないのか
できるだけ簡単な言葉で話はしているけれど、ユウは理解できる言葉が極端に少なくて、同じ内容をいろいろな言い方をしながら何度も繰り返した
ふと椎名は握っていたユウの左手の違う感触に気づいた
重ねた手を開いて見るとそこには赤く輝く石の指輪
「これなぁに?ミツルくんからもらったの?」
「....」
「綺麗だね、赤色がユウくんによく似合ってる」
外に出ることがなかったユウの肌は透き通るように真っ白で、そこに赤がよく映える
「これの意味がユウくんは分かる?」
ユウは椎名の目を見ながらふるふると首を横に振った
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