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椎名の少し不安げな顔にユウはどうしていいのか分からなかった 繋がれた指からホッとするようななにかがユウの中に流れ込んでくる ”あぁ、やっぱり...” ユウは返事の代わりに瞬きを繰り返した ”小指を繋ぐと願いが叶う” ユウにとってそれは何よりも特別な行為だった 独りで耐え続けていた生活の中で突然、椎名が現れた 彼はユウにとっての救世主で彼と正反対の人だった 殴りもせず怒りもせず、そしてずっと笑顔で接してくれた ミツルからは決してもらえなかった言葉もたくさんくれた そして何より、何も分からないユウに理解できるように何度も話して聞かせた 今までの分からない事が少しずつ分かるようになったユウはそれをもっと求めるようになった 椎名に出会って知ることの楽しさを知った ......だけど、いつも繋いでくれた小指は折れてしまったから もう2度と"やくそく"はしてもらえないと思った 「約束するよ、絶対ミツルくんとまた一緒にいられるようにしてあげる」 「せんせ...」 「僕を信じて?ミツルくんの事、一緒に待っててあげようね」 まっすぐに自分を見つめてくれる椎名をユウは見つめ返す 「.....」 「分かるかな?」

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