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第17話

あれから何時間たったのか....扉をたたく音はとっくに聞こえなくなっていた 誰かの手をかりない限り生きていけるはずもないユウが置かれた場所から無理やり引きずり出された時、どうするのかすごく興味があった うずくまって泣いているのを想像するだけで血液が下に流れていく なんの変哲もない扉に小さなドアスコープ その裏にいるであろうユウを透かすように眺め その小さな丸い枠の中でうずくまる姿に喉を鳴らす 彼は音を立てないようにドアスコープをのぞいてみた 片目でじっくりと見渡してユウの姿をとらえようとした 「...ユウ?」 しかし、その目をいくら動かしてもどこにもユウの姿はなかった 「あれ...ユウ..!」 いない... なんで? ....どこに行ったんんだ.... どうして?なんで?いない....いない...いない.....いない..... 彼は焦りだしてへばりつくようにその穴を覗き込み扉をバンバンと叩きだした 予想に反する出来事に彼は対処できない 自分がしたことも忘れてユウに裏切られたような感覚になった 逃げるなんて許さない 離れるなんて許さない 誰かの手をとるなんて絶対に... 瞬時に怒りに駆られて扉を勢いよく開けた 「ユウ!!」 怒鳴り散らすように声を上げてユウの名前を呼んだ 目の前に見えるのは日常的な風景 何もない廊下が長く続いていた 裸足のまま飛び出して一歩外にでた 「ユウ...」 開けた扉が閉まる音が胸に重く響いてくる どうしよう 探さなきゃ.... そう思って彼は振り返ると.... そこには愛するユウがおびえるような目をしてたたずんでいた 目があった瞬間に動揺と安堵で足が震える 一気に体中に汗が噴き出してその雫が背中を伝っていく ユウは追い出されてからずっとここにいて彼が開けてくれるのを待っていた 小さなドアスコープからは見えない死角にいただけでずっとそこで待っていたのだ その小さな体で彼を受け止めようとじっと一人きりで... それはまさに彼の望んでいた姿 彼は乱暴にユウの手を掴み、また部屋の中に引きずりこんだ

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