ユウの肌は透き通るように真っ白で、すべすべしている 手の平で触ると吸い付いてくるようで、舐めるとすごく甘かった 真っ白いキャンパスに紅い花を描くようにその肌に触れるたびに紅い傷がつく つければつけるほど自分色に染まっていくのがたまらなかった 一つ消えればまたつけて、自分を永遠に刻み付けておきたかった 「ユウに誓ってもいい？俺の気持ち...」 彼はユウの袖を捲り上げてその真っ白な二の腕をあらわにした 自分よりも細い二の腕に唇を這わせてそれを一筋舐め上げてそれから彼はもっていたハサミを握りしめた その手はユウをめがけて振り下ろされ、その刃はいきおいよくその二の腕に食い込んだ 「！！！」 ハサミの刃は半分ほど食い込んで硬い骨にぶつかって止まった 刃を伝ってユウの腕から血がゆっくりと彼の手を濡らしていく 「痛い？ごめんね？...でも...」 そういって下に力をかけていく 肉を切り裂く重みが手に伝わってくる ユウは目をギュッとつぶり声も出さずにその痛みに震えるように息を吐く　 「痛いよね？逃げてもいいよ...」 ユウは自分の太ももを強く握りながら絶え間なく続く痛みに耐えていた グッと力を込めてそのまま体重をかけるように刃先を引き下げる そこから一気に引き抜くとドクドクと脈打つように血が流れた 「はぁっ...」 引き抜かれるのと同時にユウは力が抜けるような吐息を一つ零す けれども彼は止まらなかった 今流れ出るその血をぬぐって今度は横に突き立てる 縦に引き裂いた傷に対して交わるようにその二の腕に十字の裂け目をつけていった 「ふっ...っく....んん...」 ユウはたまらず声をあげながら、それでも体を動かすこともせずにじっと耐え、その痛みが終わるのを待っていた 「...できた...」 彼はそういって流血する二の腕をうっとりするような目で眺めた 「分かる？ユウ...これは十字架だよ？」 そういいながら流れ出る生暖かい血液をぬぐう ユウは切り裂かれる痛みからの解放にホッとしているような顔を見せた 「神様に誓ってユウだけって意味だからね？」 その傷に願いを込めて彼はユウに愛を誓う ユウは自分から流れる生暖かい血をぼんやり眺めながらその意味を考えていた