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「あー...」
「ユウくん、どうしたの?飽きちゃった?」
いつの間にかユウは一人遊びをやめて椎名のそばに立っていた
椎名の服をしきりに引っ張っては何かを伝えたいような素振りで
まるで”どうしたの?”とでも言っているかのようだ
ユウの目は椎名の迷いを見透かすように不安げに揺れている
ユウを抱え上げて膝に乗せてやると慣れたように椎名の首に腕を巻き付ける
それがあまりにも自然で涼介は思わずつぶやいた
「そうしてると本当、親子みたいだな」
「最初は泣いてばっかりだったけど...ようやく落ち着いたんだよ」
きっと自分の中でようやく状況を飲み込む事ができたのだ
ひどく辛い現実だったはずなのにユウはそれを自分自信で噛み砕いて消化した
「ミツルくんがいないから寂しくないようにしてあげないと」
「そう思うならユウも連れてこれる職場の方がいいんじゃねぇの?」
「それは...」
涼介の言う通りだった
今の状態で仕事を始めればユウを置いていくことになる
何もわからないうちはできるだけ側にいてあげたい
自分は一人ではなく、大切にされていることを実感してほしい
けれど....
するとどうにも首を縦に振らない椎名にしびれを切らし、涼介は矛先を変えてきた
「ユーウ?お前、マサキのこと好きか?一緒にいたいか?」
「う...?」
椎名に抱きついたユウが首だけ振り返って涼介を見つめる
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