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それから.....
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半年後
そのオフィスビルの一室は日当たりが良く、眩しいぐらいに光が差し込んでくる
窓ガラス一面に映る景色は毎日、ほんの少しだけ形を変える
「あ...ぉ」
「し...ろ」
今日の空は一番好きな青い色
大きな白い雲のそばに小さな雲が寄り添うように浮かんでいる
窓にほっぺたをつけながら大きく手を振ってみるけれど、それは近づいてきてはくれなかった
あれは甘いのかなぁ.......いつか触ったりできるのだろうか......
みんなはとっくに知っているんだろうな
いつかは自分も知ることができるのだろうか......
ーーここにいると自分が空に浮かんでいるみたいだなぁと思う
ふと足元を見下ろせばまるで手の平に乗りそうなぐらい小さな人たちがこのビルの中に飲み込まれていく
こんなに空が大きいなんて知らなかった
人がこんなにいっぱいだなんて思わなかった
この世界には自分と彼...それからせんせぇしかいないのだと思っていた
「ユウくん」
外を食い入るように眺めていると後ろから名前を呼ばれ、ユウは勢いよく振り返る
「せんせ...」
そこには椎名がいつもと変わらない微笑みで立っていた
片手には何かユウが知りえないものが握られていて、”それ”越しに椎名はユウへ呼びかける
「ユウくん、手を振ってみせて」
ユウはそれに満面の笑みで答えるように両手をぶんぶん振りまわしてみせた
「あはは、上手だよっ!!じゃあ次はねぇ...」
「せんせぇ...?それ、なぁに?」
椎名の手元が気になってユウは首を傾げて問いかける
「え?これ?えっとねー...」
クスクス笑う椎名の元へユウはパタパタと駆け寄って飛びついた
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