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ひとしきりぬいぐるみを撫でた後、ミツルはサイドテーブルに置かれたパソコンに手を伸ばした この半年、毎晩のように眠れなくて何かしら時間をつぶすようになっていた 大して面白くもない動画を見たり、知りたくもない事を調べたりしながらユウを想う気を紛らわして、疲れて眠気が来るのを待つ いつものようにパソコンを立ち上げ、デスクトップの明かりに目を細めると、一件のメールが届いていることに気がついた 「....?」 交友関係のない自分にメールが送られてくるなんてめったになくて、ミツルは不思議に思いながら差出人の名前を確認する 「先生...?」 アルファベットで書かれているのは見覚えのある名前 電話もできる相手にわざわざメールなんて何事だろう... ミツルはメールをクリックして中身を開いた ーーーミツルくんへ どうしても見せたいものがあるのでメールをしました。 次に会える日を楽しみにしています。 短い文面のあとにつけられたいたのは添付ファイル 「な...に?」 彼は迷う事なくファイルを開いた 「....」 ファイルを開くと同時に現れたのは太陽の光に包まれるようにして佇む、見覚えのある後ろ姿だった

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