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「ユウくん、早起きだねぇ、ちゃんと着替えもできたんだ」 椎名はベットから両手を広げると笑顔でユウを迎え入れる 「う...うん、そう...おきがえしたの」 「そっかそっか、エライエライ...ってあれ?」 よく見てみるとユウのシャツのボタンが途中から掛け違ってしまっている 「これじゃお出かけできないなぁ...ボタンが掛け違ってるよ?」 シャツのボタンを外しながら直してあげるとユウはボタンにかけた椎名の指を真剣に見つめている 「まちがえちゃったの...ごめんなさい」 「いいんだよ、ゆっくりやれば次はできるよ」 ボタン一つ間違えただけでユウは落ち込むように顔を下に向けてしまう ユウは長年に渡って監禁生活を強いられており自ら言葉を発したり考えたりすることを押さえつけられて生活していた 訳あって...縁あって今は椎名が保護することになり生活を共にして言葉や身の回りの事だけでなく、社会生活を送れことができるように訓練している最中なのである それでも彼を保護して3年ほどでつたないながらも会話ができるようになったのはほかでもないユウ自身の努力の賜物であった 一つ一つできることが増えていくように、自分のことができるように手を差し伸べていければいいなと椎名は思っている 「せんせぇ、どぉしたの?」 毎日少しずつできることが増えていくユウを見ると感心してついつい見入ってしまいぼうっとしてしまう 朝の支度をしないといけないことを思い出した椎名は仕切り直しとばかりに声をあげた 「よし!ユウくん!朝ごはんしよう、今日はなに食べたい?」 「えっと...えっとね、ユウ...めだまやきぃ」 飛び跳ねるようにしてユウは椎名の腕を掴んで立ち上がらせる 出社するのは8:45 歩いて15分のところだ 椎名はユウのために早めに起きて時間をたっぷり取るようにしているのだ

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