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「そういえば、手首はどう?あれから病院へは行った?」 椎名がマナトの左手を優しく掴むとマナトの胸がドキンとなった こんな風に優しく心配されたのは久しぶりだった 「大丈夫...もう治った...」 目を伏せていたマナトが伺うように目だけ上げると優しく微笑む椎名と目が合った マナトはその気まずさから目を逸らし、足元を見たり唇を噛みしめる すると椎名がその笑顔のまま、マナトが予期しない質問を投げかけた 「さっきカウンセリングルームみたいって言ったよね?」 「...な...に?」 「ここのこと...カウンセリングルームみたいって....通ったことあるの?」 その質問にマナトはあからさまに顔を曇らせる 握られた手を振り払うようにして咄嗟に椎名から身体を引いた 「別にっ....関係ないじゃんっ!!」 「あぁ...気を悪くしたならごめんね、ちょっとした事が気になって...僕の悪い癖なんだ」 一瞬で流れた嫌な空気を払うかのように椎名は手をひらひらと振った 取り繕うようにマナトが渡したコンビニの袋からプリンを取り出した 「せっかく買ってきてくれたんだから、食べようか?!おいしそう」 「....」 「飲み物は何がいい?お茶に、コーヒーに、紅茶...あとオレンジジュースがあるけど」 「コーラ」 マナトはむっとした表情で椎名に向かって言った 「コーラはないかなぁ...」 「じゃあ、いらないっ!!」 駄々をこねる子供のようにキッパリと告げるマナトに椎名はクスクスと笑って眉毛を上げる 「分かった!ちょっと下の自販機まで買ってくるから待てて」 椎名はそう言うとマナトを置いて走って部屋を出て行った

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