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第13話

「うぅ...」 椎名がぼんやりと目を覚ますと、ゆっくりと景色が頭の中を巡っていく 体が痛い...よりだるかった 意識だけは何とか回復してきたけれど、どうにも体が動きそうもない なんだ...なにされたんだ.... たしかあの子のケガの手当をして...帰ろうと立ち上がったら何かひどい衝撃が走った 殴られた...?それともスタンガンか何か? 大の字に寝かされた体がまるで自分のものではないようで、恐々と指先を動かしてみた 動く...良かった... 末端が動くと分かり心底ほっとする ここは....彼の部屋か....薄暗い部屋で天井を仰ぐように眺めていた 「はぁ...はッ....ぁ」 どこからか人の声が聞こえる気がする 「...?」 誰だ?苦しそうな....息遣い もしかして...あの子...具合が悪くなっているのかもしれない そう思って起き上がろうとしても体が重くていうことを効かない なんとか寝返りをうって横向きなった時、ジャラッと変な金属の重なり合う音が聞こえた 「....?」 それは自分の近くで、体の動きに合わせて反応するように音が鳴る 恐る恐る自分の周りを見渡してみると... なんと自分の手首に手錠がかけられて鎖で部屋につながれていたのだった なんだこれ.... 自分に起こった事態が飲み込めないまま椎名は体をゆっくり起こしてみようと腕に力を入れた 体が今までにないくらい重く感じて起き上がるのに一苦労だった 頭が持ち上がった時、クラリと眩暈がしたけれど頭を振ると何とか起き上がることができた 「.....」 椎名は目の前に置かれたベット、その上に乗る二人の姿を見て、自分が寝室の扉につながれていることを知った 薄暗い部屋でベットサイドの照明でぼんやりと浮かび上がる二人の姿 気絶していたせいか目を凝らさないと良く見えない するとベットの上からミツルの声が聞こえた 「ほら..ユウが静かにできないから先生が起きちゃったじゃん」

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