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共同生活ーユウー
抱っこされて眠る部屋に連れて来られた
無造作にベットに下ろされて、軋んだ拍子にベットからずり落ちそうになる
それを片腕で抱き留められてベットの真ん中に座らされた
なんでここなんだろう....
ユウは座らされてぼんやり考える
彼が帰ってきたら、ごはんを食べる
それから優しい時は一緒にお風呂に入って、優しい時はベットで一緒に寝る
優しくないときはいつもの部屋で寝る
いつもそう...たしかそうだった
だけど今日はご飯よりもお風呂よりも先に、一番最後の寝る部屋連れて来られた
いつもと違うことにユウの頭をついていかなくて、彼にどんな顔をすればいいのかわからない
「ぁ....」
小さく声を発したとき、ユウのお腹がキュルルっとなった
その音を聞いて、彼はベットに腰を掛けながらクスクス笑ってユウの髪を梳く
「お腹すいた?昨日も食べられなかったもんね」
うん....そう....昨日は怒られてごはんがなかった
だから今日は怒られないでごはんが食べたい
「でも..今日も食べられないかもね」
そう言いながらふわりと頬に触れて滑るように首筋をなでる
ユウはそれで理解する
ああ、
そうか......
今日はごはんよりも、お風呂よりも先にするんだなぁ
彼は今までいろんなことを教えてくれた
覚えるのが難しくて、怒られてばかりで、
だけど、1つできると褒めてくれるから
それがうれしくて、一生懸命がんばった
覚えるのは苦手
だから同じ事を何回も何回も繰り返してやっと分かるようになって
だから順番が変わると分からなくなってしまう
なんでこうなんだろうって
なんで昨日とちがうのかわからないから
なにをしないといけないのがが分からなくなってしまう
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