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共同生活

「ねぇ。だめじゃん。ユウ」 なにがだめ? 「先生に食べさせてもらったの?」 うん もらった そう。もらったの おいしかったの 「俺じゃなくてもいいの?」 ちがう だめなの 彼じゃないとだめなの 「また最初からじゃないと分かんない?」 さいしょ さいしょは...痛い? えっと、ちがう 痛いは痛くなくて......えっと、ちがう、 あれ...... えっと......おなかすいたの。 「ユウ!」 ハッとしてユウは顔をあげる 目の前には眉を寄せて、けれど口角はあがった彼の顔 「お前さ、人の話聞いてんのかよ」 なんだか頭の中が靄がかかったみたいになって、彼の声がすごく遠くに聞こえる 「ぃっ......あっ!」 前髪を乱暴に掴まれてユウは顔を歪める ぼんやりしかけた意識が痛みによって引きずり戻された そのまま思いきりベットから落とされて床に転がった 「ユウ」 名前を呼ばれたから打ち付けた身体をさすることなく起き上がる ベットに腰掛けて床に降りた足に縋り付いて見上げると彼はいつもみたいに笑っていた 「ユウ」 「......」 「ユーウ?」 泣かないように必死にこらえて目線を合わせ続けた 「ユウが誰のものかって事、分からせてあげるね?」 彼の細くて長い指がユウに伸びていく

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