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二人きり

「行っちゃった...部屋戻ろうか」 ミツルがユウの手を引くとはニコニコしながらついてくる 足取りは軽くなんだか楽しそうに見える ーー先生はユウに何を言ったんだろう........ 気になったけれどきっとユウに聞いたところで答えなんて帰ってこない 「あ...あぅー」 「なぁに?」 ニコニコしながらユウはミツルに何かを訴えて見せるがそれが言葉として出ることはなかった 「はぁ...」 ため息をついてリビングに戻るとミツルはソファにもたれるようにして床に座り込んだ すると ユウはその上に跨るように乗って彼の上半身に巻きつくように顔を埋める 「どうしよっか、なにする?なにしたい?」 ミツルにはユウが何を望んでいるのか全くわからない ーーいつもなら 今までならベットの上で一日中過ごして汗だくになってひたすら抱き合えばあっという間に終わってしまう それがどれだけユウにとって体力的にも精神的にも苦痛を強いていようと関係なかった ーーだけどそれではもういけないのだ 気を取り直してミツルはユウに笑いかける 「ユウは何したい?ぬいぐるみ?遊ぼうか」 床に転がったぬいぐるみを指さすとユウは彼の身体から飛び降りてそれを取りにいった まるでおもちゃを投げられた犬が取ってくるみたいにして、ヒョコヒョコと歩きながら2ひきのぬいぐるみを抱えてミツルのもとに戻ってくる 彼の目の前に2匹を並べて座り込んだユウは上目遣いにじっと見つめる その目には”遊んでほしい”と書いてある 「どうやって遊べばいいの?」 ーー先生はいつもどうやって遊んであげているんだろう ちゃんと聞いておけば良かったとミツルは椎名が帰って早々にもう後悔が始まった するとユウはミツルの手の中に犬のぬいぐるみを入れて握らせてくる 「うー...ぁ...」 まるで”こうやるんだよ”と教えているみたいだった 「これ?これでいいの?」 目の前でぎこちなくそれを動かしてみるとユウは目をキラキラさせて喜んでいた 「わ...わんわん?」 「あはっ...あー」 適当に鳴き声も真似してみると今度は声を出して笑ってぬいぐるみを追っていく ーー なんだ...なんとなくだけど言いたいことが分かった 慣れない手つきでユウにぬいぐるみを見せながらミツルはホッと胸を撫で下ろした

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