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二人きり
「あーん」
一口掬ってユウの口元に持っていくと嬉しそうに口角を上げた
スプーンにのったプリンをユウの舌にのせるとその上で時間をかけてじっくり味わって飲み込んでいく
「ふふ、おいしい?そんなに好きなの?」
クスクス笑うミツルに握られたスプーンにユウは夢中だ
早く早くと次を強請るように口を開けるユウに合わせていると小さな容器のプリンはあっという間に無くなってしまう
最後の一口になったところでミツルは急にあることを思いついた
「あーん」
口元にプリンをのせたスプーンを持っていきユウがいざ食べようと口を閉じた時、彼はそのスプーンを瞬時にずらしてしまった
ユウはパクンと口を閉じてからしばらくして「あれ?」と首を傾ける
口にいれたはずの甘い味がしないのだ
ぽかんとしながら目をぱちくりさせて味のしない唇を舐める
するとまた彼が「あーん」と口を開けるように促してくる
ユウはまた素直に口を開けてスプーンを咥えようとするとまた直前でそれが消えてしまう
「ぅ...?」
「あはは、面白い」
ユウの頭は?マークでいっぱいで、何をされているのか分からない
最後の一口をいつまでも食べれなくて何度も何度も空振りをくわされる
「あはは、冗談だよ、はい、あーんして?」
「ぁう...」
やっと食べさせてもらえると口を大きく開けた時、今度はミツルがその一口を自分の口に放り込んでしまった
「ぁ...」
最後の一口はユウの目の前でミツルの口の中へと消えてしまった
あまりのショックにユウの目には見る見る涙が浮かんでいく
「わっ...わっ...ごめん、そんなに食べたかった?」
「ふっ...」
すると涙が溢れるよりも早くユウの口の中には待ち焦がれていた甘い味が広がった
それは生暖かくてとろけるような舌触りでいつもより格別に甘い味がした
「はぁ...」
気づくと鼻先が触れるほどの距離にミツルがいる
彼の指はユウの目尻に触れて今にもこぼれそうな涙をぬぐう
「ごめん、意地悪が過ぎたな」
呆けたようなユウの唇を舌先で舐めた彼は少し困ったような顔で笑った
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