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ユウは椎名に引き取られてからすぐにいろいろな検査を受けていた
検査結果とミツルから聞いた話やもろもろを考慮して、当時おそらく15,6歳だと結論づけた
小学生並みの身長や体重はおそらく幼いころの栄養不足が原因ではないかとのことだった
ミツル曰く、彼を保護する前の生活は聞くに堪えないほどだ
そしてその後のミツルとの閉鎖的な生活もそれを助長させることになった
あれから三年...つたないながらに言葉を覚えて何とか会話ができるようになったが、それも椎名や涼介といった身近な相手にだけだ
幼すぎる言葉遣いに不自然なほどにものを知らないユウに見ず知らずの相手は白い目を向けるのだ
「ユウくんはちょっとのんびり屋さんなんだよね」
椎名は今だに信じられないと浮かべる顔のマナトに笑って答え、
その横でユウはもうノートにまるでらくがきにもならないような絵を描いて楽しんでいた
「ユウくんもプリンもらっていいかな?大好きなんだ」
「別にいいけど......」
椎名がユウにプリンを見せると大げさなぐらい喜んで見せた
「マナトくんがくれたんだよ、ユウくん....なんて言うんだっけ?」
「そうっ!えっと...えっとね、マナくん、ありがとぉっだ!」
ニコニコしながらユウはマナトに笑顔を見せた
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