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「りょおっくんっ、だっこぉ」 「ユーウ、お前は本当にかわいいなぁっ!!」 「2人ともなに食べる?ユウくんはお子様メニューでいい?」 まるで幼稚園児みたいなユウとそれを大げさなくらい猫可愛がりな涼介という男 まともなのは椎名...先生だけか 「マナトくん?大丈夫?」 「えっ...あ...うん」 「なに食べたい?遠慮しないで好きなものを頼んで?」 椎名に手渡されたデリバリー表の中身はチープな内容ではなくてマナトは思わず目を瞠った 「俺、金ない....こんな高いの食えない」 すると椎名は吹きだすように笑って首を振る 「なに言ってるの、子供がそんなこと気にしなくていいんだよ」 助けてもらいたくて来たものの、こんなにも上手く事が運ぶことにマナトは少々怖気付いていた 見ず知らずの自分をこんなにもあっさりと、しかも手厚い待遇で迎え入れてくれる 何もしていないのに 金もなく、身体さえ許したわけでもないのに...... 見返りもなく優しくされることのなかったマナトは戸惑いの方が大きかった

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