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近くて遠い距離 マナト
ーーマナトが目を覚ますと、もう昼を回っていた
あれだけ仰々しく、こんなところで眠れないなんて思っていたくせに、不覚にも横になったらあっさりと落ちてしまった
涼介に完敗させられたマナトはあのまますごすごとゲストルームに戻り、そのまま一日を終えた
プライドが傷ついたりもしたけれど、正直ホッとした自分もいた
一度でもしてしまえば、今日はまた別の誰かを探さなければいけなくなるかもしれないし...
ベットから起き上がったマナトはそのままぼんやりとリビングまで向かう
広すぎるリビング、窓から見下ろす都会の景色
「りょうくんち...お空がおおきいんだよっ!!」
窓一面に見える青空に昨日のユウの言葉を思い出す
こういうことか...
豪華すぎる部屋に、見ず知らずの大人達の手厚い歓迎、ガキみたいなやつと並んで食べた食事
全部夢じゃなかったんだな...とマナトは改めて実感した
「....」
けれど静まり返ったその部屋は一人で過ごすにはさみしすぎる
あいつ...涼介ってまだ寝てるのかな....それとももういない?
昨日あれだけこっぴどく怒鳴られた手前、涼介の部屋を訪ねることはできなくてマナトはリビングをうろうろとするばかりだった
ピンポーンーー
突然のインターホンにマナトはドキリと身体を跳ねさせて壁のモニター画面を覗きこんだ
「あ....」
そこには見知った顔が見えてホッとする
「マーナートーくーんっ!!お昼一緒に食べよー」
そこにはモニター画面いっぱいに椎名の笑顔が映っていた
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