「昨日はよく眠れた？」 「あ...うん...まぁ」 あいまいに返事をするマナトを椎名はふっと笑いながら持ってきた弁当をテーブルに広げて昼食の準備を始めた 「今日...いないの？」 つぶやくように言ったマナトを横目で見ながら椎名が答える 「それはどっちかな？ユウくん？それとも涼介？」 「っ...！！」 一瞬言葉に詰まるマナトに椎名はクスクスと笑いながら続けた 「ユウくんは今日はデート、涼介は仕事へ行ったよ」 「ふーん」 「涼介から連絡が来てね、マナトくんのことよろしくって」 「....」 「昨日なんか....あった？」 椎名の問いかけにマナトは思わず顔を上げた 「なんかっ...あいつ言ってた？！」 思わず声を荒げてしまい、はっと我に返る これではまるで何かあったと言わんばかりではないか.... なかったといったらなかったし...でもあったといったらあったし.... 「涼介から伝言...子供は子供らしく素直に甘えてろって」 「俺、ガキじゃねーもんっ」 思わず言い返すマナトに椎名は相変わらずニコニコと笑う それはまるで涼介から事の全部を聞いているような顔だった