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捨て犬と野良犬

仕事場の医務室にはいつものように親子のようなユウと椎名の姿があった 「うん、うん、えぇー...ちがう...よぉ」 ご機嫌のユウはでぬいぐるみとおしゃべりをしている 椎名はその横で午前中の仕事を早めに切り上げようと急いでいた 「---よしっ!終わった!ユウくん、今日は公園でお昼にしようか?」 「わぁっ!!」 「この資料、涼介の所へ持っていくからちょっとまっててくれる?涼介たちも誘ってくるから」 「はぁぁいっ!!」 椎名がすぐに部屋を出ていった後、ユウは嬉しくて嬉しくてぬいぐるみを抱きしめた 会社を出た通りを曲がるとすぐに小さな公園がある ブランコと砂場くらいで大したものではないのだけれど、一人で外出できないユウはそこへ行くのが大好きだ 天気がいい日は椎名がそこへお弁当を持って連れていってくれる 時間があれば、涼介や千春も付き合って、たくさん遊んでくれるのが嬉しくて仕方ない はやる気持ちを抑えつつ、椎名の帰りを待っていると急にドアが開いた 「あれ?先生は?」 振り返った先にいたのは金髪が眩しいマナトだった 「マナくんっ!!!」 すぐに駆け寄ってマナトに抱きつかんばかりのユウにマナトは少し引き気味で言う 「先生は?」 「こうえんに行くのっ!!マナ...くんもいこぉ?」 「お前バカなの?質問に答えろよ」 うんざりした顔のマナトにユウはキョトンとして首をかしげる 「えっと...えっと...こうえん?」 「もういいっ、お前と話すとバカがうつりそう」 「う...?」 ユウはマナトの意地悪に気づく事ができない ニコニコしながら無邪気に話しかけてくる姿がさらにマナトをイライラさせていく

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