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薄暗い店内、爆音のクラブミュージック チカチカと目が眩む照明に断続的に照らしだされるのは絡みある男と女 マナト久しぶりに訪れたクラブで、カウンターのイスに軽く腰かけながら何ともなしにそれらを眺めていた ここに来るのは数か月ぶりだ 前に来た時は、ここで知り合った男に買われてそのまま付きうことになったんだっけ 同棲までしたっていうのにあっさり振られて今や顔も思い出せないなんて.... 「つまんね.....」 思わず口からでた本音は爆音にかき消されて誰にも届かない はっきりと容姿だって見えない薄暗い中で、まるで運命の出会いかのように相手を見つけるほどの元気は今日のマナトには残っていなかった それもこれもあいつのせいだーーー マナトは思い出すたびにイライラと眉を寄せて顔をゆがめる 「みんなして、ユウ、ユウって.....」 マナト自身もなぜこんな思いを抱くのか分からない ユウを見ているとなぜか傷つけたくなる 周りの態度も知り合って日が浅い自分とユウでは違うのは当然なのになぜかイライラして仕方ない 「くそッ....なんでこんなにムカつくんだよ」 ギリギリと歯ぎしりしながらマナトは理由がつかない胸の内を持て余しながら持っていたグラスを一気に飲み干した するとーー 「あれ?マナトじゃんっ!!」 自分を呼ぶ明るい声にマナトはきょろきょろとあたりを見渡すと、奥のVIPルームからヒラヒラと手を振る姿が目に入った 「樹さん!!」 マナトその姿を見つけるとぱぁっと表情を明るくして、まるで尻尾を振るようにVIPルームまで駆けて行った そこには3人組の男達が座っており、マナトがそばに来るなり手を叩いて喜んだ 「マナト、久しぶりじゃんっ!最近来ないから心配してた」 「本当だよ!!どうしてるかなって思ってた」 「マジで?心配してくれたの?」 「心配したに決まってんじゃん、俺ら友達だろ?」 「友達」という言葉にマナトはさっきまでの言葉にならない気持ちが払拭していくのを感じた お互いのグラスを傾けて高らかに声をあげる 「飲もうぜ!カンパーイっ!!」 グラスが合わさるとキンッと心地よい音がした

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