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2人っきりになってもユウは黙るどころが鼻歌まじりにクレヨンを走らせる
あーぁ、そんな浮かれやがって....
口を開けば「みぃくん」「みぃくん」
寝ても覚めても同じ話を繰り返すユウにはさすがのマナトも慣れてきた
けれどそうなると気になってくるのはユウの絶対なる想い人
完璧な男の「みぃくん」がどんな奴なのかという事だった
けれどユウに聞いてもどうせまた、褒め言葉のオンパレードで的を得ない
クレヨン片手に夢中になって机に向かうユウを眺めながらどうしたものかとぼんやり眺めているマナトにふと、あることが閃いた
「ユウ、ちょっとこっち向いて?」
「う...?」
声をかけられ顔を上げるユウにふっと影が覆いかぶる
「わ...あっ...あ..?」
首筋に感じる暖かい感触とチクリとした軽い痛み
わけも分からずパチクリと目を瞬かせているユウの首筋にマナトは顔を埋めていた
「...はっ」
息を吸い込むように唇を離すとうっすらと残る赤い痕
それを確認するとマナトは口の端を引き上げた
「あぅ?マナくん?」
首を傾げて不思議そうな目をするユウの襟をきれいに正しながら悪戯な笑みを浮かべる
「なんでもない、明日、楽しんでこいよ」
思った通り、ユウは今、何をされたのか理解できていないようだった
動くと見え隠れする赤い痕は誰がみてもキスマークだ
特にユウの肌は真っ白だから薄い色でもよく目立つ
それはあまりにも浮かれているユウに仕掛けたマナトのいたずらだった
「完璧なみぃくん」とやらがあのキスマークを見たらどう思うかな
とびっきり優しいその彼とちょっとしたケンカでもしたら面白いな
次の日のユウがほんの少しだけ不機嫌だったらいいな
それはマナトが考えたほんの少しの出来心だった
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