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着替えとぬいぐるみと絵本、それからミツルに見せるためにノートを詰めたリュックを背負ってユウは出かけるのを今か今かと玄関で待っている
「ユウくん、準備できたー?」
「うんっ、うんっ、できたぁっ!!」
「よぉしっ!じゃぁ出発ー!!」「しっ..しんこぉーー!」
2人で手を繋いで家を出ると、ユウはまるで飛び跳ねるように小走りになっている
「ユウくん、嬉しそうだねっ!お泊まりだもんねっ!」
「うっ、うんっ!うれしい!」
「そっかぁ!でも僕はユウくんがいないから今日はさみしいなぁ」
椎名がわざとらしく残念そうな顔を向けるとまん丸の目をしたユウが答えた
「じゃあ、せんせぇもいっしょっ、しよぉ」
「えっ!?あはは...それはー....うん、ダメだと思うよ」
「でもっ...」
そんなお邪魔なことはできないというのに無邪気なユウは本当に心配そうに椎名の顔を覗きこんでいる
椎名はクスッと微笑むと繋いだ手を大きく振りながら言った
「今日はいっぱい楽しんでおいで」
ユウくんが楽しみにしているのと同じようにきっと彼も楽しみにしているはずだから
「はぁあいっ!!」
ユウは大きな声で返事をしてニッコリと笑った
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