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ミツルの腕にしがみ付くようにしてユウはテレビに夢中だった
「ペンギンさんってっ....ふあふあ?」
「は?」
「えっと、えっとねっ...」
一生懸命考えながら話してはいるもののユウはいつまでたってもうまく伝えられない
それをミツルは今までの勘から伝えたいことを導き出して答えていくのだ
「知らない、触ったことないし」
「そっかぁ」
少し残念そうにユウが俯くとミツルは後ろから耳に唇を寄せて囁いた
「今度調べておく」
そうしてチュッと啄むとユウは肩を竦めて笑いだした
「ふふっ、くすぐったぃっ....」
ユウの動きに合わせてふわりと流れた髪の間から、真っ白く細い首筋が露わになる
まるで宝物を集めるように腕の力を強めた時、ミツルは全身を凍りつかせた
何気なく視線を落としたそこに見えたのは薄く浮かび上がる赤い痕
「なに...これ...」
「え?」
聞き返そうと振り向いたユウは息が止まるような衝撃に言葉を失った
「がっ...かはっ!!」
それは一瞬の出来事で、抵抗するヒマもなかった
「ぐあっ...ぁあっ...」
ただ、急激に襲う息苦しさは状況を把握する能力を奪い、停止させた
「これはなに?」
窒息しそうで悶える中、彼の声はまるで何事もないように淡々としていた
けれど、その声がぞくりと身震いするほど低い声だと気付いた時、ユウはようやく今起きていることを理解することができた
それは彼の手が自分の首を容赦なく掴み、締め上げているということ
「これはなんだっていってんの」
「ぁっ...がっ...」
ギリギリと締め上げる力に真っ赤になっていくユウを目の前にしてもミツルの手は緩くなるどころかますます強くなっていく
「ゲホッーーっなん....なっ....わかんなっ....」
「なにが?分かんねぇじゃねえだろ?」
一瞬の出来事に訳もわからずユウはただ、口をパクパクするしかできなかった
片手で首を絞められているせいでうまく答えることもできず、泣くこともできない
「ぅぅ....みぃくっ....」
やっとの思いで呻くように声を上げるとミツルはようやくその手を離した
ユウの首にはミツルの指の跡がくっきりと刻まれている
「ゲホッーー」
ひゅうひゅうと喘いで必死に酸素を求めているユウを見下ろしながらミツルは嫉妬で自分が覆われていくのを感じた
じわじわと襲ってくる波に身体ごと攫われて行きそうだ
ミツルは乱暴にユウの髪を掴むと、無理やり自分の方を向かせて目線を合わせる
「ぅあ...」
「なぁ、俺を見ろよ、ちゃんと答えろ」
至近距離で合わせた彼の目はいつの間にか闇のような漆黒に変わっていた
その色は懐かしいと思えるほど、何度も見ていた色だった
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