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「わかっ...んなっ....わかっ...」
髪を掴まれながら見上げたミツルにユウは懇願するように訴えた
だって本当に分からないのだ
彼が何を怒っているのか
答えろと指摘されているのがなんなのか....
とにかく一瞬にして沸騰したように怒りだしてしまったことに戸惑い、どうしたらいいか分からない
何度聞いても「分からない」と答えるユウにミツルはあからさまに苛立ちを見せ、立ち上がった
そのまま力任せに引きずり、脱衣所まで連れて行く
「きゃぁぁぁぁぁあああっ」
恐怖と髪を掴まれる痛みにユウはバタバタと暴れて悲鳴をあげた
ユウが叫べば叫ぶほど、ミツルの苛立ちは激しくなる
ミツルはユウを脱衣所まで連れてくると、大きな鏡に思い切り押し付けて凄んでみせた
「これだよ、見えるか?」
鏡にグリグリと押し当てて、首の痕の理由を執拗に問いただす
「これはなんだっていってんだよ」
「あぅ...」
「あぁ?!聞こえねぇよっ」
低く冷たい声はユウが1番怖がるのを承知の上でミツルは淡々と迫っていく
鏡には押し付けられて苦痛の表情を浮かべるユウと鬼のような形相のミツルが映る
頬骨が押し付けられてゴリゴリとなった
口からは涎をだらしなく垂らしてもミツルは容赦しなかった
「ぅう...みぃく...」
それでもユウは答えることができない
分からないものは分からない
それが彼の求める答えではないことは分かるのに
「本当に分からない?それともバカだから答えられないの?」
「っ....」
「もういい」
鏡にはあからさまにうんざりした表情を浮かべ、ため息をつく彼が映った
ふっと押さえつける力が緩くなり、ユウはそのまま崩れるように床にへたり込んだ
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