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ミツル
ユウと会うためのぜったい条件はいかなる場合があろうとも今後一切、暴力を振るわない事
それがどんなに許せないことでも、それだけは絶対に守らなければならない
もし、それを破ってしまうことがあるならば、また振り出しに戻ってしまう
いや...振り出しならまだマシか
きっともう二度とユウに会うことはできなくなる
ミツルは1人になった部屋でソファにもたれると深くため息をついた
さっきまでユウを抱きしめていたはずの腕がさみしい
怒りに任せて我を忘れてしまった自分が許せない....急きょ、先生に迎えにきてもらって事なきを得たがあのままならきっと傷つけていた
「まだ...大丈夫」
ミツルは自分の手の平をじっと見つめて自分自身に言い聞かせた
少し掴んだだけだ...殴ってはいない
冷たいことは言ったけれど....昔はもっとひどい事を言ってきたし、してきたのだ
現にこうしてすぐに先生に連絡してユウを引き取りに来てもらった
殴りたくなかったから
傷つけたくなかったから
少し冷静になればまた元通りになる...仕切り直せば大丈夫
ーーーそれなのにこんな気持ちになるのはなぜだろう
ユウの首の細い感触、掴んだ髪の質感を懐かしいと感じてしまった
自分に向ける怯えた目も、泣き声も、聞けば聞くほど愛おしくなる
ユウはどんな声で泣いてどんなふうに抵抗するんだっけ
どんなことが嫌いで、何を一番怖がるんだっけ
それを見ることはどんな快楽よりも心地がよかったはずなんだ
けれど、それは自分がこのまま約束を守り続ける限り見る事はできない
忘れていたかった
思い出したくなかったのに...
あの快楽を味わう事ができない事を残念に思うなんてどうかしてる
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