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二人っきりになったマナトはユウの手元を覗きこんで問いかけた 「今日はなにやってんの?」 「え...えっと...えっと...これ」 目の前に差し出されたのは色とりどりの折り紙 何かを一生懸命作っているのだがそれがどう見てもぐしゃぐしゃにしているようにしか見えない 端を合わせて折るのすらままならないユウにマナトはため息をついて頭を抱えた 絵本といい、お絵かきといい...挙句の果てには折り紙って....一体どこまでガキなんだよ 「お前ってなんで、そんなにガキなの?こーゆーの、学校で習わなかった?」 「がっ...こお...?」 ”なにそれ?”と首を傾げるユウにマナトは次々と質問を投げかける 「行ってないの?てゆーかそもそもお前ってなんで先生と暮らしてんの?親はどこ?お前ってなんなの?」 矢継ぎ早に繰り返される質問にユウは答えられず狼狽える 「う...?う...」 けれどマナトはずっと聞きたかったのだ 自分と同じ年齢なのに、何も知らない、分からないユウ 今までどんな暮らしをしていたらここまで何も知らずに生きていけるのか どういう経緯で椎名先生に面倒見てもらえるようになったのか 人のことはあれこれいえるほどではないのは分かっている 自分だってろくに学校も行かず、家族関係だって希薄だ けして褒められる生活はしていないけれど、それでも何とかここまでやってこれた 周りも同じような仲間ばかりだったし、今時、家庭環境が複雑なんてものは珍しくはないだろう けれど自分とユウとの決定的な違いはこの生活力の無さ 分からないにもほどがあるし、知っていることを聞いた方が早いくらいだ 「一体、今までどんな生活送ってきたんだよ!?」 マナトの言葉にユウは目をぐるぐるさせて考え込むと一言ぽつりと口にした 「みぃくんと....いたの」 「それは前に聞いたっつーの!でも今は一緒にいれないんだろ?なんで?」 「...わかんない」 「どうして先生と一緒に暮らすようになったの?」 「....わかん...ない」 「みぃくんと一緒っていつから?その前はどうしてたんだよ?」 「....わかんない」 何を聞いても分からないと繰り返すユウにマナトは次第に眉間に皺を寄せて声を荒げる 「分かんない、分かんないって!!バカじゃねぇの?!じゃぁ、分かることってないのかよっ!!」

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