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「いいよな、お前は...何もできなくてもみんなが大事にしてくれて」 マナトはふつふつと湧いてくる怒りをユウにぶつけるように続けた 「笑ってるだけでいいなら俺だってできるのに....バカってほんと得だな」 「...?」 けれどユウにはマナトの嫌味も理解できず、ただニコニコしながら聞いている 「だからっ!!俺はお前みたいになりたいっつーのっ!!」 いい加減うんざりしたマナトが机に転がっていた折り紙の失敗作を掴んでユウに投げつける それはパシンッとユウのおでこにぶつかってコロンとまた机に戻ってきた 「うー...」 ユウはおでこを摩りながら眉をハの字に曲げてマナトを恨めしいように見つめた 「なんだよっ!!その目はっ...そんなの大好きなみぃくんに慰めてもらえば?」 鼻で笑って言い放ったマナトの言葉にユウは急に大人しくなって目を伏せる 「だめ...だもん」 「は?」 彼の名前を引き合いに出した途端に、ユウの顔は泣きそうに変わってしまった 何が?と言いかけてマナトは椎名からユウが彼とケンカして落ち込んでいると聞かされたのを思い出した 「ケンカ......したんだって?なんで?」 白々しくもケンカの理由を聞いてみる おそらくはあのキスマーク、ユウの無知を利用した自分のいたずら ちょっとケンカでもしたら面白いかなって思っただけの出来心もこんなにも思った通りだとマナトもさすがに驚いた けれどたかがキスマークだ 話せば分かることだし、第一噂の”みぃくん”はとっても優しいってユウは言ってたし それなのにユウと来たらまるでこの世の終わりみたいにどんどん顔が暗くなっていく そして黙っていたと思ったらぽつりと一言つぶやいた 「わかんないっ....でもまちがえちゃったのっ...」 「まちがえた?何を?」 「...わかんないっ....でもっ...まちがえたのっ」 ユウは下を向きながらゆっくりとそれだけ伝えると手の平で目元をぬぐった

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