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オフィスを出て少し歩くと数々のショッピングストアが並ぶ大通りに出る
そこまでユウをまんまと連れだすことに成功したマナトはチラリと後ろを振り返った
ーー連れ出したはいいものの、これからどうするかなぁ...
ユウは早足で進むマナトの後をひょこひょこと足を引きずりながら懸命に追いかけてくる
「ま...まって...」
「遅っ...早く来いよっ!!」
連れ出したけど、早々にこいつをどっかに置いていきたい
見るからにガキな奴と並んで歩いてどこへ行こうっていうんだよーー
「マナくんっ!」
息を切らしたユウがやっとのことでマナトに追いつき、しがみつくように左腕を握る
その瞬間、マナトは自分でも驚くほどの勢いでそれを振り払った
「さわんなっ!!」
「わっ...あっ...」
その勢いに驚いたユウはグラリとよろけて尻餅をつく
「あのっ...てっ...つなぐの」
「は?!」
「おそと...てっ...つなぐってせんせぇいってたの」
ユウは単にマナトと手を繋ぎたかっただけなのだ
椎名はユウにどこかへ出かけるときは必ず手を繋ぐように言い聞かせていたから
「ばっかじゃねぇの!?絶対嫌だねっ!!」
マナトは大声を上げると掴まれた左手を隠すように背中へ回した
マナトが咄嗟に隠したのは左手首に深く刻まれた自傷の痕
触られたくなかった
ユウには...ユウにだけは
こんなみじめな自分が刻まれた証だけは見られたくなかった
「マナくん?」
ユウは”どうしたの?と道端に座りこんだまま、まん丸の目で見上げている
「....っうるせぇなっ!!いつまで座ってんだよっ!ほらっ立てよっ」
マナトはイライラしながらユウの腕を掴んで立ち上がらせようとした
その時ーー
「あれーっ!?マナトじゃんっ!!」
人通りの多い中、激しいクラクションと共になじみのある声が響いた
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