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散々遊んで帰ってきたマナトの足取りは軽く、まるで本当の自分の家であるかのようにマンション戻ってきた 我が物顔で鍵を差し込む扉を開ける そこにはいつもと同じようにシンと静まり返った暗闇が待っているはずだった 「よぉ」 それなのに突如聞こえた呼び声にマナトは飛び上るほど驚いた 「びっっくりしたぁっ!!なんっで...いんの?!」 まさか涼介が帰っているなんて思いもしなかったマナトは心臓をバクバクさせながら狼狽える 「いちゃ悪いかよ!ここは俺の家だ」 明らかに不機嫌そうな表情を浮かべながら涼介はマナトを部屋にあげた いつも忙しく家に寄りつかないはずの涼介が今日に限って帰っている事に不思議がりながらもマナトは彼の後を付いていく リビングまで来たマナトが何気なく目を向けたテーブルにはパソコンが開いてあり、何やら書類が詰まれていた その横にはロックグラスが空で置いてあり、溶けかけた氷と広がる水滴に涼介が長い間ここにいたことが分かった 偶然帰って来たところに遭遇したわけでも、今すぐに会社に戻ってしまうわけでもない いつもとまるで違う雰囲気はマナトにあらぬ期待を持たせるには十分だった いつもなら自分だけには冷たい涼介がそんな事をするはずがないと分かるのに いつもならこんな都合の良い話があるわけないと訝しむのに いつもと違うと思ってしまったのはきっと樹とあんな話をしたからだろう ”いい人たちに出会えて良かった”と心から心配してくれた樹のようにひょっとすると涼介も自分のことを心配してくれたのではないか もしかして、こんな時間まで自分のことを待っていてくれてのではないか.... 自分の事をユウと同じように思ってくれたのではないか..... それはマナトにとって期待よりも半分願いになっていた けれど、見上げたマナトの目に映ったのは明らかに立腹している涼介の顔だった 「つーか、今何時だよ。ガキがこんな時間までどこほっつき歩いてんだよ」 「あ...えっと...友達と」 急に説教じみたことを言われたマナトはもごもごと口ごもる 「友達か。その友達と遊ぶ為にユウを置き去りにしたってわけか」 「...?」 「ユウはお前のこと信じてずーっとあの雨の中一人でいたんだぞ?!」 涼介の口からユウの名前が出た途端、マナトの眉がピクリと動いた

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