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週末の出来事

今日はユウの待ちに待った週末 この日のために日々頑張っているといっても過言ではない ユウはいつものようにお気に入りのものをリュックに詰めていつでも行けるように準備を整えていた そして今日はいつものぬいぐるみと絵本のほかにマナトに折ってもらった折り鶴も付け加えた 「それも持ってくの?」 「う?うんうん、みぃくんにみせるのっ!」 嬉しそうに笑うユウに椎名はマナトとの関係性が改善されたことを改めて実感した 「良かったねぇ、ユウくん!良いお友達ができて」 「おとも...だち?」 「そうだよ、仲良しになったら友達なんだよ」 けれど、今までそういった相手がいなかったユウにとって”友達”というものがイマイチ理解できないようでキョトンとしている 「お友達っていうのはね...うーん、そうだなぁ...そうだ、ユウくんの絵本をちょっと貸してくれる?」 どうやって説明しようかと考えるうちに椎名はある事を思いつき、リュックにしまった絵本を借りた 今日ユウが選んだ絵本は森に迷ったお姫様が動物達に助けてもらいながらその森を抜けるお話だ 椎名はペラペラとページをめくり、ある所で手を止める 「ほら、みてごらん?」 そこにはお姫様と森の動物達が仲良く遊んでいるイラストが描かれている 「リスさんとかクマさんが仲良くしてるでしょう? 困った時は助けあったりするの。それがお友達だよ」 まだ、いろいろな事を理解するには難しいユウには絵本での説明が丁度いい うんうんと頷いて納得している 何も知らなかったユウに初めての友達ができて椎名としても喜ばしい 人との接触が極端に少ないユウにとって自分達以外の人間はとても貴重だった こうやって、少しずつ外の世界を知っていく事でいろいろな事を身につけてほしい 「さぁ、もうそろそろ行こうか、ミツルくん待ってるよ?」 「あっ...はぁい」 ユウは元気よく返事をすると絵本をいそいそとリュックにしまった

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