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「ほら着替えさせてやるから腕上げて?」
「あ...あの...あのっ....」
「早くしろよ」
有無を言わさないミツルの態度に戸惑いながらユウは腕を差し出した
細い腕に浮かんだ鳥肌に紛れて見えるのは数え切れないほどの古傷
ミツルはうっとりするようにそれを眺めて一つ一つに唇を這わせた
「あっ...」
この傷痕はユウがミツルのものである印だ
刻まれた数だけ愛し合い、共に過ごしてきたという証拠
見るたびにあの頃を懐かしみ、消えていないかを確かめて、そしてまた一つ新しいのを刻みつけたくなるなんて始末に負えない
ミツルはユウを引き寄せるとその身体を舌先でなぞる
そこから伝わる体温は熱く、次第に甘美なにおいが立ち上がってくる
「久しぶりだね、ユウにこうやって触るの」
耳元に唇を寄せて囁いてみればユウは大げさなほどビクンと身体をくねらせた
「あう....みぃ...みぃくん」
「かわいい....ユウは本当にかわいいね」
久しぶりに触れたユウの身体は吸いつくように柔らかく、ほんの少しのつもりが一旦触れてしまえば歯止めが効かない
「ユウ、お願いがあるんだけど聞いて?」
「あ...う?」
突然の改まったミツルの声にユウはぼんやりと顔を向けた
いつの間にか身体から吹きあがる汗は熱のせいなのか触れられたせいなのかはもう分からなかった
ミツルはニコリと微笑むと真っ黒な瞳をユウに向ける
笑っているはずの彼の目はなぜか射るように冷たくユウを動けなくさせた
「ねぇ、ユウのこれ、誰にも見せないでね?」
”これ”といってミツルが弾いたのはユウの上半身に立ち上がった二つの突起
「ひゃっ....」
思わず縮こまってしまうユウの身体を無理やり開いてミツルは下肢の間に膝を滑り込ませた
「ユウは俺の宝物なの。だからこの身体、誰にも見せないで?触らせないで?そうゆうの全部俺だけ...意味わかる?」
問いかけながら指先はその突起を爪で潰して反応を見る
「きゃぅっ!!」
甘く跳ねるような声にミツルはクスクス笑いながら執拗に指先で弄んだ
「ほら、こうやってここ硬くしたり、そういう声出したりしないって約束して?」
「えっ...と...あのっ...あのっ...」
押し付けられた膝の下で徐々に存在を現し始めるユウ自身にミツルの長い指が触れる
「こういう事していいのは俺だけなんだよ?」
布越しに形をなぞる指がゆっくりと直にそのものに近づくとユウは震えながら顔を背ける
そのみだらな刺激はあまりにも強くユウはその波に身を任せようと目を閉じたとき、それまで優しく触れていたはずのミツルの手が牙を向いた
ミツルは手の平に包んだユウ自身を今にも握りつぶしそうなほど強く握る
「いっ...ぎぃっ!!」
さっきまでの刺激に立ち上がりかけたソレが無理やり押さえつけられてユウは苦悶の表情を浮かべた
「やっ...あっ...あぅ」
「聞いてる?俺だけだって言ってんの」
「みぃっ...あうぅ...」
「ほら、約束してよ、ユウ」
ギリギリと締め上げる痛みにユウはたまらずコクコクと頭を上下に振った
涙目になるユウとは反対にミツルはとても楽しそうに笑っている
「みぃくん...」
わけも分からず締め上げられる痛みに耐えかねてユウの目からぽたりと一粒涙が零れ落ちた
するとそれを合図にミツルは握っていた手を緩め、ユウはやっと痛みから解放された
ユウはその安堵感からぐったりとミツルにもたれかかると
彼は満足そうに微笑み、そして一言付け加えた
「もし約束破ったらお前のこと殺してやるから」
息を飲み固まるユウの目に映ったのは張り付いたようなミツルの笑顔だった
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