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**** 「どうしようかな...」 そう呟いた彼の前に白い息があがる あたりはいつの間にか暗くなり寒さが一層増していた ユウを放って置いたままどれくらい時間がたったか分からない このままだ本当に殺しかねない自分が怖くなって家を出たけれどどこへ行く気にもなれなくて結局あてもなく彷徨い無駄に時間を過ごしていた 大丈夫かな...死んでしまったりしないだろうか... ミツルは仕方なく重い足をマンションに向けて歩き出す その帰り道、街はクリスマスや行事ごとが終わった今でもその余韻を楽しむようにイルミネーションが光って揺れていた 次々と子供連れや恋人であろう人達とすれ違うとふいに疑問が湧いた ...なんで俺は一人なんだろう 誕生日もクリスマスも何もかも知らないユウにこんな景色を見せたかった 散りばめられた光の粒を見あげたらきっと笑ってこういうだろう 拙い言葉で「キレイ」と 2人で手を繋いで歩けたらそれが俗にいう幸せってやつなのかな 繋ぐことなんてなくなった手をポケットに突っ込んで早足で人混みを抜ける 考え込んでいるうちに気が付くといつの間にかマンションについていた エレベーターが自分の階にあがるたびに膨らんでいく自分勝手な願望 もし...玄関の扉を開けたらユウがまた待っていてくれたらいいな 泣きながら自分の帰りを待っていて縋りつくように腕を伸ばしてくれたらいいのに... だけどもうユウには1人で動く力は残っていない そうさせたのは自分なのに、今度は出迎えなかった事に腹を立てて手をあげるのだろう 帰って来たことが分かるように大げさに音を鳴らして鍵をあげて、扉に手をかけてから瞼を閉じて1つ深呼吸をする 「ただいまポチ、いい子にしてた?」 ミツルは薄暗いリビングに向かって声をかけて部屋に入る 何もできない犬に俺は求めてばかりだ

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