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ユウが意識を取り戻してから担当の医師や捜索に協力してくれて警察関係者が入れ替わり立ち代わり病室に訪れた 「ユウくん、ここがどこだか分かる?今日は何曜日かな?」 「...ぁう...?」 「何があったのかな?覚えてることなんでもいいからお話してくれないかな?」 「....?」 皆一様にユウに同じ質問をする しかし返ってくる答えは期待するものとは程遠く、そこにいる誰もが困惑していた 状況を聞く事さえ困難では被害を訴えることもできず犯人の捜索も難しい できれば早い段階で少しでも証言が欲しいものだが、ユウはまだ答えられる状態ではないようだ 「椎名先生、ちょっとよろしいですか?」 椎名は担当の医師から声をかけられ廊下に出てるとそこでユウの検査の結果を聞かされた 「CTの結果なんですが...画像もキレイだし、問題はなさそうですね」 「...そうですか、良かった...」 この病院に運ばれてきた時のユウは衣服を身につけてはいなかったそうだ 全身の状態から暴行を受けたことは明らかでその事を聞かされた椎名は自身も医師の資格があることを告げ、できるかぎりの検査をお願いしていた 「血液検査からは一種の興奮剤のようなものが検出されたので、おそらくそれで目が覚めるのが遅かったんでしょう」 「興奮剤...ですか」 「ええ、血液に残るくらいだから量も多かったんじゃないかな。恐らく...歩けなくなるほど。きっと逃げられなかったでしょうね」 悲しそうに目を伏せる医師の表情に椎名もやるせなくなる 「それで、今後の事なんですが...」 そう言いかけた時、後ろから声をかけられた 「マサキ」 振り向いた先には疲れた顔の涼介が申し訳なさそうに立っている 「涼介...」 「こんな時に悪いけど、俺一回仕事戻るわ」 涼介は昨日からずっと付き添ってくれていた ただでさえ忙しい彼に余計な負担をかけてしまった上にこれ以上引き止めるわけにはいかない 「ごめん!!そうだよな...徹夜させちゃって...」 「気にすんなよ。とりあえずユウも目が覚めたんだし...それからお前は当分仕事休めよ。ユウがあれじゃ仕事になんないだろ?」 ユウはおそらく入院することになるだろう 幸い大きなケガはなかったから、すぐに退院できたとしてもあの状態で職場に連れて行けるかは分からない 自宅なら1人にはできないだろうから涼介の申し出はありがたかった 「なんかいろいろ...すまない」 「だーかーらー気にすんなって。とりあえずまた来るから、あとよろしくな」 気にすることなくヒラヒラと手を振ると涼介はそのまま帰っていった

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