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待って......
待って......
「ごめんっ!違う、違うんだよっ!」
なにが違うんだろう
「怒ってるんじゃなくてっ、そうじゃないんだよ?!」
なにも違わない
俺は自分の言いたい事が伝わらないから怒って責めているだけだ
彼は混乱と焦りで空回りながらあたふたと訴える
「泣かないでっ?ねぇ?泣かないで!?お願いだからっ!!」
「ひっく...ひっく...」
手のひらでとめどなく流れる涙をいくら拭ってもそれは溢れて止まらない
「なんで?なんでそんなに泣くの?」
どうしよう....どうしよう....またこの間みたいに倒れたら
先生に電話しようかーー
そう思い携帯を取りに行こうと立ちあがりかけて動きを止めた
だめだ...
だって先生は今、俺とユウを引き剥がすための用意をしているんだから
こんなの知れたら、こんなの見られたら
もうほんの少しの時間も2人にさせられないって思われるに決まっている
そしたら今度こそ、ユウと引き離されてしまう
「やだっ!!ユウ!!やだよ!泣き止んでよ!!」
「ひっく...うぅ...」
「泣き止んでってばっ!」
懇願するようにミツルはユウに迫っていた
はやく泣きやませないと、
はやくはやく....はやくしないと....
頭が真っ白になっていく
自分でも何がなんだかわからない
彼が分かるのは今こうしている事がユウのためではなく、自分のためだという事
離れたくないの一心でそれ以上の事など何もない
「泣き止んでくれないと、一緒にいられなくなっちゃうんだよっ!!」
だから...だから...
「だから泣き止めって言ってんだろうがっ!!!」
ミツルはユウの細い手首を力任せに引っ張り怒鳴り散らしていた
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