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力任せに引っ張られたユウは勢いよくソファから転げ落ちた ミツルは身体をしたたか打ち付けたユウを気にすることなくそのまま手首を離さない 「あっ...あっ...」 彼の力は掴んだ手首が折れそうなほど強く、ユウは床をすべるように引づられていった 「ぁぅっ....」 そしてミツルが力づくでユウを連れてきたのはバスルーム 彼はそのままバスルームの扉を開けて、ユウの身体を抱え上げると勢いよくそこへ投げ入れた 「きゃぁぁぁっ!!!」 バスルームの床に転がりながらユウは叫び声を上げてそこから出ようと這い回った けれどミツルはユウが這い出ようとするよりも早く、扉に手をかけ閉じ込めた 「やぁあああっ!!!あああっ!!!」 ユウがバンバンと身体全体で扉にぶつかり、しゃにむにこじ開けようとしているのがスリガラス越しに映って見える 「みぃくんっっ!!みぃっ...やぁぁぁぁぁああああっ!!!」 耳を劈くような叫び声を聞きながら彼は自分に言い聞かせた ーーこんなの大した事じゃない こんなのはいつもの事で、ユウがもとに戻ってくれたらそれでいい いつもみたいに笑って、俺のことを怖がらないでいてくれたらそれでいい もとに戻ってくれなくては困る だからミツルはそれがどれだけユウの負担になろうともやらずにはいられなかった 「あぁあぁあああっ...」 叫びながらユウは無我夢中で扉を掻き毟った 手に巻かれた包帯は緩み、床に垂れ下がる 扉のそばには彼の姿が映っているのに、何をどうやってもそこを開けてはもらえない 開けて、開けて、開けてよぉ... わけもわからず叫ぶしかできないユウの声が狭いバスルームに反響する それが余計に恐怖を煽り、ユウは膝をがくがくさせてその場に座り込んだ ーーこんな場所に1人閉じ込められてしまったら嫌でも思い出してしまう 泣いてる自分の髪を掴み、何度も殴る彼の姿を 溺れるほどの水を浴びせ、笑いながら吐く言葉を 「バカ犬、お前なんて要らないんだよ」 ずっと信じていた、心の底から大好きだった彼に言われた一言は、彼のために生きることで自分の存在価値を見出していた少年にとって、とても耐えられることではなかった 嫌だ嫌だ...もうやめて ユウはうずくまるようにして耳を塞いだ そうしていないと彼の聞きたくない言葉が聞こえてくるような気がして怖かった 「うっ...ゲホゲホッ...ゲェッ...」 グルグルと目が回り、急な吐き気にユウは全身を震えさせた そしてそのまま抑えることもできず、胃の中身を全部その場に吐き出してしまっていた

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