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「ユウくんを守るのは君の役目でしょ?まさかこのまま迎えにこないつもり?!」 「....」 「ユウくんを預かるのは一時的なものだよ?」 するとミツルは驚いたようにぱっと顔を上げる 眉をさげ、その目は不安に揺れていた 「一時的...?しばらくしたらどうするの?施設とかにいくの?」 その反応で椎名は彼の不安をはっきりと感じた 「まさか!君が立ち直るまでって意味だよ」 「立ち直る...?」 「君が立ち直ってまたユウくんと一緒に暮らせるようになるまでの間、預かってあげるよ」 彼は椎名の話に拍子抜けして答えることができなかった 立ち直る...? またユウと暮らせるようになる日が来るのだろうか そんな事が許されるのだろうか... 「僕はそのつもりだよ、君の事も見捨てない...2人が暮らせるように協力したい」 「でも...」 「ユウくんにはミツルくんしかいないんだよ」 椎名の言葉にミツルの気持ちが揺れていく 俺がユウを大事にできるようになるまで待っててくれるのだろうか それをユウは望んでくれるのだろうか 「ユウくんはあんなに頑張ってくれたんだよ?今度は君が頑張る番じゃないの?」 「....っ....」 ユウは俺のためにいつも頑張ってくれた こんな俺のために...俺なんかのために.... 「思っても...いいのかな...」 彼はゆっくりと起き上がると椎名をじっと見つめる 彼のすぐ側では何も知らないユウがすやすやと寝息を立てている 「また一緒に暮らせるようになるって思ってもいいの?」 そう言った彼の瞳は今にも泣き出しそうに真っ赤だった

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