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首輪に触れるとミツルはユウに言った 「これさ、俺にくれない?」 「...う?」 「一人じゃさみしいからこれが欲しいんだ...ダメ?」 無理やり取り上げるのは嫌がるけど取らないわけにはいかないから、言い方を変えてみようと思った ユウは俺の望みを叶えるために嫌だとは決して言わないだろうーー 「その代わり....」 ミツルはそう言うとおもむろにポケットから小さな箱を取り出した 箱を開けると中にはきれいな赤い石が埋め込まれた指輪が二つ 「きれいでしょ?ユウには赤が似合うと思って」 そう言いながらミツルは一つの指輪をユウの左手の薬指にはめていく 「ユウは手が小さいから、このサイズ探すの大変なんだよ?」 彼は先日、ユウの洋服をそろえに行った際、たまたまこの指輪を見つけた きれいにカットされた赤い石が特徴的で思わず引かれて手に取った ペアにできると聞かされて迷うことなく買ってしまった だけど、実際に渡そうとは思っていなかった これは形を変えた首輪そのもの 離れていても見えない鎖で縛りつけてしまうような気がして迷ってしまっていた ユウは左手にはねられた指輪を物珍しそうに透かしながら眺めている 彼はその隙にそっと首輪に手を回す 一つの事に囚われてしまうと少年は他の事に目が行かなくなる だからその間に首輪を外してシーツの中に隠してしまった ミツルはもう一つの指輪を自分の指にはめると顔の前で手を広げて見せた 「俺とおそろい、これでずーっと一緒だよ」 「わぁっ...」 ユウは彼の手に飛びつくようにして自分のと見比べている ”二人でお揃い”というものの効果は抜群で、もうそこにしか目が行かなくなっているようだった 彼の真似をするように手を広げて見せつけてくる 指の隙間から満面の笑みが零れていた 指にはめているのは自分の独占欲だというのにまるで”ありがとう”と言わんばかりに無邪気に喜んでいた

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