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第3話
「なー、どうやってあの"壬生"のお坊っちゃまと仲良くなったんだよー」
横柄に脚を組んで座る土師義登(ハジヨシト)が、秋月に話しかける。
「ルームメイトなんだから、仲良くなるだろ?もう何回その質問すんだよ。ってか、退けよ」
秋月は、自分の席を陣取る土師を足蹴にする。
「じゃあ、俺も何回も言うわ。壬生とは何もねーの?」
土師はのっそり立ち上がり、前の席に移動する。
「何回も答えるが、何もねーよ」
秋月は、朝から不機嫌の種をまく土師を、軽く睨みながら答えた。
入学して1週間。秋月はすでに、この学園にうんざりしていた。
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