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第5話
秋月も、そんなエクステリオル のひとりであった。
「なぁーなぁー、壬生のお坊ちゃまって何食うの?花の蜜とか?」
前の席へ移動しても、まだヘラヘラと絡んでくる土師。
「フツーだよ、フツーの飯食ってるよ!ってか、花の蜜ってなんだよ。アイツは蝶かよ!」
「すげー、壬生のお坊ちゃまを"アイツ"呼ばわりとか!」
戯けた顔で言う土師に、秋月はハーッと溜息をついた。
そんな秋月に、
「でも、"蝶"っていうのは、あながち間違いじゃないな」
中東の血が流れる土師は、鋭い眼光でニヒルに笑いつつ付け加えた。
高等部からのエクステリオル である秋月は知らなかった。
"壬生司"が、どういう人物であるかを。
また、この特殊な学園で、どのような立ち位置にいるのかを。
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