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第6話
「それにしても、特別棟とはいえ、エクステリオル のお前が、何で一般寮の、しかも壬生のお坊っちゃまと同室になったんだろうな?」
土師は、秋月の机に右手で頬杖をついて会話を続けた。
「そんなの知らねーよ。学園の事務局に聴け」
土師の疑問にぞんざいに答えつつも、実は秋月も不思議に思っていた。
エクステリオル は、一般寮とは別の特待寮で日々の生活を送る。
寮内の規則や造りも一般寮とは異なる。
その一例が部屋割である。
エクステリオル は、1人1部屋が基本となる。
部屋の広さも、2部屋分の広い部屋を割り当てられる者もいれば、物置のような極小部屋を自ら選ぶ者もいる。
天才というモノは、往々にして奇人が多い。
その為、部屋の造りも彼らの要望に合わせ、毎年のようにリノベーションが行われている。
そう、本来なら、エクステリオル である秋月は、一般寮ではなく、特待寮で生活を送るのだ。
然しながら、何故か一般寮への入寮となった。
入寮の際、その事についての承諾書にサインはしたが、理由までは聞かされなかった。
さして問題ないだろうと思い、その事について特に聞くこともしなかった秋月であったが、それが大きな間違いであった事に、今更ながら気づいたのだった。
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