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第17話

他のクラスも1500mの持久走以外、ほぼ終わろうとしていた。 「そろそろか」 「そうだな」 秋月と土師が、1500mため立ち上がろうとしたとき、 「あ、危ない!!」 ――ドンッ!―― 大きな声とともに、ハンドボール投げのボールが、秋月達の近くにいたクラスメイトに当たった。 「大丈夫か!」 「え、あ」 秋月は、すぐさまボールの当たったクラスメイトにかけ寄り、怪我がないか確認した。 「結構な勢いで頭に当たったから、一応保健室で診てもらった方がいい」 覗き込むようにクラスメイトの顔を見た秋月。 そこには、赤く困惑する顔。 その顔を見て秋月は理解した。 「吉原、立てるか?」 「う、うん」 「土師、吉原を保健室まで連れて行ってくれないか?」 「…ああ、分かった」 秋月は、クラスメイトをゆっくり立ち上がらせ、土師に保健室までの付き添いを頼んだ。 土師も周囲の視線から、秋月の言わんとする事を理解し、付き添いを了解した。 「吉原、気分が悪いようだった無理せず、保健室で寝てろよ」 「あ、う、うん」 「土師、先生には俺の方から言っとくから」 「頼むわ」 手短に会話を終え、秋月は体育教師の方へ向かった。 「…彼、僕の名前、知ってるんだ」 土師に肩を借りている生徒、吉原 薫(よしはら かおる)は、秋月の方を見てぼそりと呟いた。 「エクステリオル( 外 部 生)とはいえ、一応クラスメイトの名前ぐら覚えるだろ」 それを聞き取ってしまった土師は、素っ気なく答えた。 「…そっか」 顔を赤くしたままの吉原を見て、土師は、秋月がこれ以上面倒な事に巻き込まれないようにと、友人の身を案じた。

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