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お守りのクローバー

カタカタと震える白を、文汰は抱き締める。大丈夫と言うように、優しく背中を撫でる。そうしていると、次第に白も落ち着いてきて。文汰の胸板にすり寄って甘えてくるまでに回復した。 「大丈夫だ、白。心配するな。俺がいる」 文汰の言葉は、いつだって嘘をつかない。そして白をいつも勇気づけてくれる。文汰が言うから大丈夫。文汰が言うから信じられる。 「ん。大丈夫。文汰が言うから、心配しない」 「そう。お前は、俺の言うことだけ信じていればいいんだ」 文汰はそう言うと、そっと白にキスをする。おでこ、目尻、頬、鼻、そして口。優しくしてくるから、何だか恥ずかしくて。白は、赤く染まった頬を隠すように文汰の胸板に顔を埋めた。 いつまで経っても初々しい白の反応に、文汰の顔も緩む。 ただの反抗心で手に入れたが、いつの間にか心惹かれていた。自分のものに、自分だけのものにしたくなった。 「白。お前は俺のものだ。俺だけの。だから、いいな。誰が何を言おうとも、俺の言うことだけを信じろ。いいな」 「うん。文汰の言うことだけを信じるよ」 白が笑う。だから、文汰も笑う。 幸せで、もっと互いの熱を感じたくて。ねっとりとしたキスをしようと、顔を近づけた時だ。自分を忘れるなと言うように、紡が声をあげた。笑い声だ。 「紡も、文汰とチュウがしたいって」 「そうか。だったら情熱的にしてやろう」 2人でベビーベッドに近づくと、文汰は左の頬に。白は右の頬に同時にキスをした。 そうしたら、紡が幸せそうに笑うから文汰と白もつられて笑う。 もっともっとその幸せな時間を味わっていたかったが、文汰はそろそろ出ないと約束の時間に間に合わない。 名残惜しそうに白を抱き締めると、そっと離れる。少し寂しそうな表情を浮かべる白に、文汰は棚の上に置いてあった細長い箱を差し出してきた。 「何これ」 「いいから開けてみろ。俺からお前に、お守りだ」 文汰に言われるがまま開けてみると、箱の中にはクローバーのチャームがついたネックレスが入っていた。自分がつけるにはちょっと可愛いかなと思ったが、文汰からもらったものが嬉しくないわけがない。 ぽやぽやと嬉しそうに笑う白の姿を見ながら、箱の中からネックレスを取り出してつけあげた。 「お守りだ。必ず、何があってもつけていろ。いいな、白」 「うん。でも、俺がつけてても大丈夫?可愛すぎない?」 「大丈夫だ。お前に十分似合ってる」 文汰の言葉を肯定するかのように、白の胸元でクローバーのチャームがキラリと光った。

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