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ろ
あのサボテンか……
「あれ、私がさせたんだよね。私の真似ばっかするから意地悪したくなっちゃって」
「……え?」
「あら、聞いてないの? 言っちゃいけなかったのかしら。あれからかな…私の真似しなくなったの」
俺、あん時なんて言ったっけ? 俺の気持ち知ってて揶揄われたと思って……
「真似したって全然似てない! おまえなんて大嫌いだ!」
俺は俺が悪いのに……なんで由紀路は何も言わなかった。
「モヒートお待たせしました」
「あっそうだ! 誉、この人私のワイフ」
「もう、陽茉里ちゃんそれを言うならフィアンセでしょう。ワイフになるのは陽茉里ちゃんよ」
「どっちでもいいわよ。ってその喋り方止めなさいって」
「あら、ごめんって…俺、西牧 宇宙です。よろしくね。宇宙って書いてたかおみです」
「……あ、えっとよろしく…お願いします」
「由紀路に式の事聞いてない? 誉?」
……え? 何? 式って?
なんだか頭の中がぐちゃぐちゃだ。酔ってんのか?
俺は目の前に置かれたグラスを一気に飲んで席を立った。
「誉? 大丈夫?」
「陽茉里さん詳しいことは…由紀路から聞くんで……ごめん、小林帰るわ」
陽茉里さんの話…途中から全然耳に入って来なかった。小林達も置いて来ちまったし……
「何やってんだ俺は……分かっていたじゃん無理だって。クソ……暑い……」
思ったより酒に酔っていて、途中どこかで力尽きで座り込んだ。そこに由紀路が来て……
「誉、大丈夫か? 酒屋のくせに酒弱いんたからさ」
「うるせぇな……な…にしに来たんだよ」
「気になって」
「放っとけよ……どうせ馬鹿にしてんだろう。だからか陽茉里さんのことなんも言わなかったんじゃないのか」
「違う……」
「何がだよ」
「……俺が言っても信じないだろう」
「おまえ…嘘付きだもん」
「誉は…俺のこと嫌いだもんな」
「そうだよ……だからか放っとけ……て」
「俺は…好きだよ。誉」
こいつ何言った……?!
って……そっからの記憶が……えっと……
「誉、ずっと好きだったんだ」
とか言われて……その後……
「…おまえ…何…言ってんだ…んっ、ぅんっ」
きっキスされた? いやいやいや! 記憶違いだ! うん、きっとそう……
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