4 / 12

あのサボテンか…… 「あれ、私がさせたんだよね。私の真似ばっかするから意地悪したくなっちゃって」 「……え?」 「あら、聞いてないの? 言っちゃいけなかったのかしら。あれからかな…私の真似しなくなったの」 俺、あん時なんて言ったっけ? 俺の気持ち知ってて揶揄われたと思って…… 「真似したって全然似てない! おまえなんて大嫌いだ!」 俺は俺が悪いのに……なんで由紀路は何も言わなかった。 「モヒートお待たせしました」 「あっそうだ! 誉、この人私のワイフ」 「もう、陽茉里ちゃんそれを言うならフィアンセでしょう。ワイフになるのは陽茉里ちゃんよ」 「どっちでもいいわよ。ってその喋り方止めなさいって」 「あら、ごめんって…俺、西牧 宇宙です。よろしくね。宇宙って書いてたかおみです」 「……あ、えっとよろしく…お願いします」 「由紀路に式の事聞いてない? 誉?」 ……え? 何? 式って? なんだか頭の中がぐちゃぐちゃだ。酔ってんのか? 俺は目の前に置かれたグラスを一気に飲んで席を立った。 「誉? 大丈夫?」 「陽茉里さん詳しいことは…由紀路から聞くんで……ごめん、小林帰るわ」 陽茉里さんの話…途中から全然耳に入って来なかった。小林達も置いて来ちまったし…… 「何やってんだ俺は……分かっていたじゃん無理だって。クソ……暑い……」 思ったより酒に酔っていて、途中どこかで力尽きで座り込んだ。そこに由紀路が来て…… 「誉、大丈夫か? 酒屋のくせに酒弱いんたからさ」 「うるせぇな……な…にしに来たんだよ」 「気になって」 「放っとけよ……どうせ馬鹿にしてんだろう。だからか陽茉里さんのことなんも言わなかったんじゃないのか」 「違う……」 「何がだよ」 「……俺が言っても信じないだろう」 「おまえ…嘘付きだもん」 「誉は…俺のこと嫌いだもんな」 「そうだよ……だからか放っとけ……て」 「俺は…好きだよ。誉」 こいつ何言った……?! って……そっからの記憶が……えっと…… 「誉、ずっと好きだったんだ」 とか言われて……その後…… 「…おまえ…何…言ってんだ…んっ、ぅんっ」 きっキスされた? いやいやいや! 記憶違いだ! うん、きっとそう……

ともだちにシェアしよう!