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由紀路は、人見知りでいつも陽茉里さんの後ろに隠れてた。陽茉里さん似の笑わない男の子。それが俺の第一印象だった。 確かに、俺は面食いで最初は由紀路を可愛いと思ってた。 「(陽茉里さんに似て)可愛いから笑えばいいのに」って俺が言ったの勘違いしたのか…… 小学生の頃、あいつが俺の誕生日に陽茉里さんの振りしてプレゼントを持ってきた。なんの悪ふざけか知らないが、女の格好できたあいつは陽茉里さんとそっくりで、俺は陽茉里さんだと思って何も知らない俺にキスまでして…… そのお礼を陽茉里さんのに言うと「あ! あれ、由紀路だよ」って……俺は由紀路を呼び出し、目の前で貰ったサボテンを叩き割ってやった。今思えば酷い話だ。 由紀路のやつなんで言わなかったんだ……俺にはそんな事どうでもいいが。 由紀路は、それから俺以外には笑うようになって今の外面のいいヘタレイケメンになったのだ。 今日は、この前のバイト代で手に入れた新作ゲームをする予定だったのに。それが朝早く由紀路からのメッセージで目覚めた。 はぁ?! また店番頼むってあん時、すんげぇ怒ってたじゃないか。 無視してるとまた着信音が鳴った。送れてきた添付写メを見て飛び起きた。 「あの野郎……!」 あいつを信じた俺が馬鹿だった。俺を揶揄って! 好きだなんて絶対嘘に決まってる!

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