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休みになると由紀路の友人や知人が店に来る。朝送ってきた写メの件を聞きに「succulent」に来た俺を由紀路目当て来た女子達の対応させられた。 「おまえに会いたくて来てんだろう。接客してやれよ!」 「俺が教えたんじゃない。勝手に来られても困る…プライベートまで気を使いたくない」 とか言って由紀路は作業場に引っ込んで出てこないし、何が気に入らないのかさっきから不機嫌で返事もしない。 「……おまえ、女相手だと楽しそうだな」 「はぁ?! じゃ! おまえがやれよ!」 「・・・」 「無視かよ!」 ヘタレイケメン死ね! 手伝いが終わったら速攻帰ろうと思っていたのに、由紀路が無言でと半ば強引に家に連れていかれた。 俺は大好物に釣られ、朝送られてきた写メの事について問い質すのを忘れそうになった。 「おまえ、この写メなんだよ!」 「…… 覚えてたか」 「さては、俺を満腹にさせて忘れさようとしたな! おまえ…本当最低! 酔ってるやつの裸撮ってんじゃねえよ! 来なかったら色んなやつに送るって脅しじゃないか! 今すぐ消せ!」 「それは困る」 「なんでおまえが困るんだ!」 「目の前に好きなやつが裸で寝たら撮るだろ。普通……」 「はぁ?!」 「ま、これだけじゃないから別にいいけど」 今……イケメン全開の飛び切りスマイルで怖い事言わなかったか? いや、聞き違いか? 「……他にもあんのかよ」 「流石に、こんなエロい裸のはないな」 聞き違いじゃな~~い! 「えっと…俺帰るわ」 「そっか直接見ればいいのか。我ながら名案」 立ち上がった俺を由紀路がソファーに押し倒した。 「っ! 痛ってぇな。何すんだよ」 「おまえが悪いんだからな。この前、俺なんて言ったか覚えてないのか?」 「何が……」 「好きだって言ったよな。そんなやつの家に上がり込むとか、ちょっとは警戒しないと」 「はぁ?! おまえが無理矢理連れてきたんだろ!」 「……マジで嫌なら来るよ」 ソファーに倒れた俺を由紀路が更に押し付け、抵抗した腕も容易く掴まれ身動きが取れなくなった。

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