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第5話
-薮蛇苺の伏龍-
初めて。多分。初めてプリザードの業務を放棄した。罪悪感は不思議とない。解任されればいいんだ。不信任票を集めれば。本当に僕がプリザードにいることが気に入らないなら、署名してずり下ろしてくれ。僕が高等部入りであることが気に入らないのか、僕が僕であることが気に入らないのか、僕が僕であり高等部入りのプリザードであることが気に入らないのか。
「少年」
「あなたは…」
生徒会館を囲う生垣を背にベンチに座っていると横から惨めな姿になってネクタイを差し出される。
「これ、宇佐木・ラビット・マリアテレジアに返してくれんかの」
「はい?すみません。もう一度」
「返しといてくれんかの。如月ラビットとかそんな感じの」
宇佐木さんのこと?2年のネクタイだし。
「どうして宇佐木さんのネクタイを持ってるんですか」
「野暮用だの」
皺まみれでアイロンが必要だ。変な人は興味無さそうだった。
「僕、プリザードもう行きません」
「ほぉ」
変な人はやっぱり興味が無さそうだった。
「じゃあの。用はそれだけじゃ。今までダル絡みして悪かったの」
喋り方に似合わないちょっと少女っぽさを残しているけど男とすぐ分かる顔をほんの少し綻ばせて変な人は行ってしまった。心境の変化かな。一方的に来て一方的に去っていく。手に残ったネクタイを見る。"王室"に行かずに宇佐木さんに会うなんて出来るかな。誰もいない時間を見計らって宇佐木さんの作業机に置いておけばいいか。溜息を吐く。もう行かないと思っていた"王室"にまた行かなければならないなんて。丑沢先輩、怒るかな。いいや、怒られても。嫌なら丑沢先輩も辞めたらいい。まともに機能しなくなればいいんだ。あんなもの。総巡回とかいう薄気味悪い花道とか、もう無くなれば。貴族にでもなったつもりか。気に入らない。
授業をサボタージュして"王室"に向かう。どうしてこの学園受験したのかもう思い出せないけど妙なカーストがあることを知らなかったし、プリザードなんてただのアイドルだと思っていたし、どうして生徒会を別個に立上げないのか甚だ疑問。学費はばかにならないけど、もううんざりしてしまった。総巡回とその後の傲慢な立ち振る舞いに。失礼します、も言う気がなかった。宇佐木さんのネクタイを返しに来ただけだ。
「何してんの?」
びっくりして、心臓が大きく鳴った。窓の桟に乗る宇佐木さんが僕を見ていた。静か過ぎて気付かなかった。宇佐木さんの指定席だ。
「…ネクタイを返しに」
宇佐木さんは無言のまま僕の前にやってくる。頭に衝撃を受け、視界が急降下する。
「スミちゃんに近寄んな」
動けずにいた。すぐ真横を宇佐木さんの足が通り過ぎる。瞬きしか出来ず、また鼻の辺りが冷たくなる。鼻血だ。だが身体が鈍く痛み、まだ起き上がる気力が湧かない。状況が全く呑み込めない。スミちゃん?鈴峰先輩?関係ある?そういえばフられてしまった。頭の中がごちゃごちゃし始めて、そのまま僕は眠ってしまった。
-伊我利比女命 -
泥棒猫ちゃんの教室に向かうと、きゃあきゃあと華やかな女の子の声を浴びた。いいものだ。鈴峰澄晴の名を告げて呼んでもらう。ベランダ側の列の前方で、ハードカバーの本を読んでいた。読書が趣味か、ただ単に友人がいないのか。読書をよくする人は孤独が苦でない傾向にあるというけど本当かな。孤独だから読書をするのでは?と思った。そうは言ってもボクもこの人という友人は真っ先にいないね。プリザードという括りがあって繋がる人々や、プリザードという付加価値があって囲う人々、もしくはこの容姿と成績と家柄に惹かれてっていう子たちはいるね。でも、ボクの思う友人という図像には当て嵌まらないかな。泥棒猫ちゃんはボクに気付いて暗い顔をした。いいね、素敵だ。
「あ、の…」
「おいで。可愛がってあげる」
彼はボクと目を合わせない。ボクは腕を掴んで図書準備室に目星をつける。
「もう、ああいうことは…」
「ああいうこと?プリザードの総巡回中の邪魔すること?それとも人のお人形奪ること?どちらだろう?」
泥棒猫ちゃんは黙ってしまった。ボクに逆らえない?そう屈強な男にも見えないけれど。どちらかといえば侮られるくらいだ。女みたいだと。実は女なんじゃないかとか。下卑てる。下卑てるよ。芽依さんには聞かせたくないな。
「…っ」
図書準備室に鍵がかかっていなかった。ということは先客はいない。内側から鍵を掛ける。たまに気まずくなることもある。ここでしけこむやつ多いから。奥に連れ込んで、本棚に挟まれた壁に突き飛ばす。
「少し調べてきたんだ。ちょっとだけれど」
背と後頭部を打ち付けたらしく痛みに小さく呻きながら怯えた双眸がボクを見る。
「何…を…」
ボクは答えず、抵抗されながらベルトのバックルに手を掛ける。いやだいやだと周りを気にして声は小さいけど泣きそうに喚くのが可愛らしく思う。泥棒猫のくせに。情けなくスラックスとトランクスが足元に落ちて床につく。シャツとブレザーで陰茎が隠されているのがなんだかスモックを着た幼稚園児のようだ。
「膝着いて」
従わない。尻を優しく撫でると、俯いて床に膝を着きはじめる。
「舐めて?」
ボクもバックルを外して、まだ盛り上がってないそこを泥棒猫ちゃんに向けた。泥棒猫ちゃんは頭を振る。
「分かった。…残念だな。君はボクの機嫌を損ねてしまったわけだから、多少痛い目見てね?」
ボクは泥棒猫の顎を掴んで乱暴に揺らした。嫌がって身を引こうとする。
「ほら、お尻向けて」
泥棒猫ちゃんは従わない。腿をぺちんと叩いたら、ボクに背を向けた。背中を押して上半身を倒させる。昔のゼリーの駄菓子みたいな携帯ローションの袋を破って尻にかけた。日に焼けないそこがひくりと引き締まった。
「きちんとは慣らさないから、ごめんね?」
窄まりに雑に塗り込んで、指を入れた。固い。
「ぁうっ!ぅうう!ぁぁ、っ!」
「ねぇ、時間掛けて慣らすとここ、肘まで入るらしいよ?」
まだ指1本入りきらないくらいだけれど、肘まで入ったらどうなるのかな。
「や、だ!やだ、やめてっ、っあぁ!」
泥棒猫は暴れはじめる。指を折って、内側から圧迫すると、呻きながら抵抗をやめる。
「やらないよ、肘まで入れたくないし。それはお人形さんとやって」
まだキツイが人差し指も割り込ませてみる。人差し指の関節が中指の側面とぶつかって鈍く痛むほど締め付けられる。
「ねぇ、もしかして竿役の人?」
「あっ、ぁふ、ふーッ、あっ、はふ、ぁぁ、う…」
話なんて聞いていられる余裕なかったみたいで苦しそうに呼吸していた。嫌だな、あのお人形さんが男に陰茎挿入されて悦ぶという図も、そのお人形さんに芽依さんが執着するのも。嵐丸ちゃんと宇佐木さんならどういう組み合わせでもいいけれど。ただあの2人、プリザードを支える皆々様の意に沿わないかたちで関係に亀裂入っているようだから、どうなんだろうね、この泥棒猫のせいで。
「なんで君みたいなのがいいんだろうね」
やはりまだ盛り上がらないボクの陰茎を触ってみて、行けるかどうかが曖昧で、とりあえずこのまま尻の穴をいじり続けてから決めることにした。
「やめてほしい?」
こくりこくり何度も何度も頷かれる。聞こえているらしい。
「じゃあやめない」
「あぅ、あっあ、やら、やぁっ!」
腹側に何かあるらしいとの情報は集めたから腹側の内膜を辿る。腹側の入口の辺りで陰嚢の裏側とかだったかな。とりあえず辿っていけばそのうち触れるだろう。
「ぅん…っあぁ…も……やめ…っぁ、」
「やめてあげたいんだけれど、ボクの勃たないからやめられないんだよ。ボクの舐めてくれたらやめてあげるけど」
「あっ、ぅ、舐め、る舐める…」
肩で息をして泥棒猫はそう言うものだからボクは泥棒猫を放し、泥棒猫がボクの方へやってくるのを待つ。本当に泥棒猫だ。四つ這いになって座ったボクの股に顔を埋める。尻を丸出しで高くかかげ、ボクのまだ固さのない陰茎に躊躇いがちに舌を伸ばす。
「どうする、やめる?日が暮れちゃうよ?」
やっと舌がボクの陰茎に触れた。
「噛んだらいけないよ?ボクの姉から好い人奪ったその手練手管 でボクを悦ばせて」
噛まれるのは流石に怖いよ。ボクは柔らかそうな頭髪を撫でてみる。耳の裏をくすぐり、髪に指を通す。地味だけど清潔感はある。泥棒猫はとにかくへたくそで、ただ舐めているだけだった。くすぐったいだけ。
「口開けて」
前髪を掴む。口を開けた泥棒猫を突く。前歯が引っ掛かったけどそれもいいかもね。ごぽごぽ音がする。ぐぇとかがほとか品のない音が漏れる。少し勃てばあとは自分で扱けばいい。
「ぅぶ、…ぐぷ、ごぼっぉ、」
「あのお人形さんは君にフェラチオは教えてなかったんだ?」
ただ少し勃っただけ。摩擦と体温で。あんな恋人みたいなキスしておいてフェラチオさせてないの?されてばかり?随分と気に入られているね?ボクは苛々しながら歯を立てられても喉へピストンする。
「がっ、ぁぐぐ、ぅごッぶっぁ…ごこ…」
色気の無い苦しそうな声に少しだけまた硬さを増す。唾液が飛ぶ。こんなものでいいかな。
「下手だね。これじゃあ舐めたことにならないよ」
「がふッがほっ…はぁ、はふ…ッ」
首を押さえてだらだらと唾液が床に滴っていく。その姿にぞくりとした。新しい性癖に目覚めそうで、そういうところは愉快な人かも知れないなと思った。
「ほら、お尻向けて」
「い、や!いや!やだ!やめて、もぉやだ、やだぁ…!」
尻を向けさせようと触ったら暴れはじめて、面倒臭い子供みたいで耳障りだからまたビンタしてあげれば黙る。ひっ、ひっ、と泣き始めて面倒臭いなと思った。女の子もだけれど泣く子が嫌い。面倒臭いし、泣かれたらこちらが悪者みたいな流れになるでしょう。歯を食い縛って耐えて欲しいな。気持ちが冷めてくる。萎える前に自分で擦り、静かにしろとまだ半勃ちだけれどコンドーム被せて指で穴を広げて無理矢理挿入した。
「声抑えてね。ボクは別に構わないけれど、誰か来たら社会的にまずいの君だから」
「ぁぁあ!ぁぐっぅ、ぐっぅぅああああっ!」
手の甲を齧ったようだけれど随分と響いた。誰か来るのではないかと思う。来たら2人で終わろうか。ボクは芽依さんのお人形奪ったことを悔い改めさせるなら共倒れだって構わないのだから。
「は…っぁう、っぐ…」
唾液まみれの手の甲に血が滲んでいるのが見えた。そんなに痛かった?内股を鮮血が伝う。ボクはといえばかなり力強く締め上げられた苦しさがあったけれど、少し苛烈なくらいのセックスも乙だと思うしこれはこれであり。
「処女だったんだ?」
浅い呼吸を何度も繰り返す。音が変だと思ったら過呼吸で、本当に世話が焼けると思う。放っておけば治るのだろうけれど、その間に萎えそうだ。背中を撫でながら、呼吸のタイミングを指示する。間抜けだよ、繋がっておきながら息の仕方を教えるなんて。過呼吸が戻るまで暇で、内股を流れる血を指の腹で掬って尻に線を引く。意図せずはじめてをもらってしまった。
-Ave MariYa-
サボるために図書準備室に向かう途中で縫斗さんとすれ違う。機嫌が良さそうだった。互いに何も言わず、視線が交わる。冷笑。挑戦的だった。図書準備室に入ってその意味が分かった。スミちゃんがいる。ブレザーもシャツも開け広げて、スラックスのファスナーは下ろされホックも外れている。
「スミちゃ…」
「やめて!」
触れた瞬間にスミちゃんは俺を突き飛ばす。手が震えて、スミちゃんは怖がっていた。俺はその姿に、身体が熱くなった。
「やだ、やだ…やめて…なんでもする、から…」
スミちゃんは後退る。
「スミちゃん」
「乱暴、やだ…乱暴しないで……」
少しずつ近寄って、震える肩にゆっくり手を伸ばす。怖がって身を小さくする姿が痛々しかった。抱き締めてからキスする。後頭部に手を添えて、髪を撫でる。
「ぁ…ん…ッ」
唇を赦されると、角度を変えて口付けが深くなる。下唇を吸い、舌が絡まったけど、スミちゃんが胸を押した。
「や、だ…」
泣き腫らした目が濡れる。また泣いてたの?俺は腰を抱き締める。離したくない。
「だめ、やだ……離…して…」
スミちゃんの怯えた声に堪らなくなって、力任せに押し倒してしまった。濡れた瞳からぼたぼた涙が落ちて、俺は焦った。何をどこまでされたのか確かめなければ気が済まなかった。誰だ?嵐丸か?嵐丸は俺のネクタイを持っていた。まさか嵐丸と付き合っている?縫斗さん?そんな。
「やだ、やめて…お願い、怖い…ッ!」
押し倒して、開いたスラックスを下げる。抵抗されたがつい無意識にその腕を掴んで押さえ込んでしまった。
他のヤツに犯されてしまった!この事実が俺をパニックに陥らせる。俺の初恋の相手が。俺のファーストキスの相手が。今でも好きなのに。
「やぁあ!やだ!やめてぇ!ああああ!」
尻に触れるとスミちゃんはさらに暴れた。それがかわいいと思った。裂けた手の甲に血が滲んでいる。とにかく暴れ、傷口を舐めると顔を真っ白にして動きを止めた。傷口を押さえ、これ以上暴れないでほしいと返されたばかりのネクタイで震える手を縛った。
「お願い…っ、やだ、やめ、あっあっああ…」
俺のペニスは急激に固くなっていてスミちゃんを求める。トランクスを下げると現れたスミちゃんのペニスを擦りながら、赤くなった尻の穴に入れた。誰かが侵入したせいで柔らかい。キツいけど、温かかった。スミちゃんとひとつになって、俺は状況も理解せず、喜びと好きな人と繋がっている快感に腰を止めておくことは出来なかった。スミちゃんを押さえてぐいぐい腰を振る。まるでオナニーで、セックスという名のオナニーだった。
「ぁぐっ、ぅう…くぅ、うぅ!うぐっゥ」
唇を噛む姿に居た堪れず俺は唇に指を入れた。スミちゃんが俺の指を齧っては、緩め、齧っては緩める。かわいい。ハムスターみたいだ。
「スミちゃん…、分かる?繋がってるんだよ、俺たち」
時折スミちゃんのペニスを扱き、俺が入っている下腹部を撫でる。セックスしている。先を越されたが、スミちゃんとセックスしている。
「ぅっ、うぅ、ぁぐぐ、ふっぁウぅ」
親指以外の指を口に突き入れ、生温かい感触を楽しみながら俺はスミちゃんを使ったオナニーに溺れていた。力強く締めてくる尻の口が俺のペニスを扱く。
「スミちゃん…スミちゃん…」
「ぁあ、あぅ、ぐっ、ぁふ、うぐ、く…」
指を抜いて、激しく揺さぶりながら唾液に塗れた唇を塞いだ。
「…んっ」
「ぁン、ふぅ、…はッ…ぁんっ」
舌を根元から絡め、口内を舐める。舌を甘噛みして、蕩けそうな蜜を吸った。口を離して混じった唾液が糸を引く。もうイきそうだった。縛られたスミちゃんが潤んだ目で俺を見て、急激に快感が高まった。
「やだ、やだやだぁ、やだ!やめて!ぁううッ」
「ごめん、イく…っ」
「やらっ、あぁ、やだぁぁぁァあああぅぅうっ!」
どくどく俺のザーメンがスミちゃんの中を汚していく。スミちゃんは目を見開いて天井を見ていた。涙が止まらずに溢れて、綺麗だと思った。射精が終わっても俺はまだ足らなかった。
「あっあっ、やだ、助けて…抜いて…」
「まだ足らないよ」
俺は暫く動けず、スミちゃのペニスを手慰めに扱いていた。
「やっ、だ、やめ、手放し、て…あっあっゃ、めっッあっ」
スミちゃんは嫌がりながら腰を揺らす。怖い記憶は俺が塗り替えるから、次は気持ちいいセックスしよう?躍起になって少しずつ固くなるペニスを上下に摩る。
「あっ、やだっ放し、てっぁん、も、ゃぁっンんっ」
「気持ちいい?」
俺も動けるようになってきて、抜かないまま少しずつ腰を揺らした。出そう出そうとしてくる結合部がかわいい。空いた手で、胸や腹を撫で回す。スミちゃんは縛られた手を動かして、ネクタイが食い込んで痛そうだった。その光景が俺のペニスを大きくさせる。
「すげぇ、カワイイ…」
2人で気持ち良くなって今度こそはオナニーではなくセックスをしようと思っていたのに、俺は腰を止められない。
「んゃ、やぁ、だめ、うごかないでっぇ、あっあっやッン」
少し声が甘くなった。感じてるの?一心不乱に突き上げる。感じて。気持ち良くなって。
「そこやだ、だめ、やだ、や、だっ、」
ぎゅうぎゅう絞られて、俺は息を吐く。ペニスを扱きながら同じ箇所に腰を打ち付ける。スミちゃんは高い声を上げて、びゅるびゅるザーメンを噴き上げた。
「スミちゃん…?」
スミちゃんのペニスが小さく脈打ち、袋がきゅっきゅっと収縮している。かわいい。堪らなくなって俺はスミちゃんを突き上げる。好きな人の痴態を見た俺のペニスはすぐに限界を迎えて、奥の奥まで腰を進めて中に叩きつけるように射精した。スミちゃんは胸を上下させていて、ピンと勃った乳首がいやらしくて俺はまたむくむくと欲情に駆られる。柔らかくヒクつく結合部からとろとろと俺のザーメンが流れ出る。勿体ないと思った。
「ぃや…!も、むり、やだ…たすけ…はなっ…あぅうっ」
腰を掴んで回す。うつ伏せにさせて、腰を上げさせる。とろとろと中に出したザーメンが漏れ出ることよりも尻に引かれた赤黒い線が目を引いた。血だ。まさかと思う。赤く充血したスミちゃんの穴がひくひく白濁を垂れ流す。卑猥だった。
「やぁ、も、あああっあ、ああ…」
一気に貫く。がたがた震える身体を抱き締める。頸にキスして首筋に吸い付く。
「スミちゃん、スミちゃん」
腰を振った。体勢が変わるとまた少し感触も変わって、脳味噌が溶けそうだった。前に手を回して胸を撫で回し、乳首を摘まむ。
「ぁひっ、や…」
「スミちゃん、乳首気持ちいい?」
固くなる乳首を引っ張って、円を描くようにくすぐる。乳輪を刺激して焦らし、またぷっくりしている乳首を指の腹で押し潰す。
「あっ、や、はッァん、ぁ…あ……」
俺のペニスが締め付けられ、奥へ奥へ引っ張り込もうとする。さらに深く密着して、腰を打ち付ける。スミちゃん。ずっと会いたかった。
「あっ、ああ、やだ、放し…ぁあぅ、うっ、うう…」
「もう放せないよ。スミちゃん…」
耳の裏を舐めて耳朶を弱く噛む。ぬるついた内部を亀頭が往復する。
「中に出すから」
「ぁん、っう、だめ…!中やだ…中やだ!…っ中出さな…っあぁうううっあぁ!」
強く強く絞め殺しそうなほどスミちゃんを力強く抱き締め、俺は果てる。一滴残らず全てスミちゃんの中に出しきりたくて目の前がチカチカした。ゆっくり腰を動かして中を掻き混ぜる。そうしてる間に中途半端に勃ってたスミちゃんのペニスもしこしこと扱いた。
「あッあっ、も…で、る…」
力無くザーメンを出してくたりとスミちゃんは床に落ちた。ことが済んでも暫くスミちゃんの中にいた。ずっといたいくらいに思っていて、スミちゃんをまだ繋がったままスミちゃんを抱き締め、膝に乗せる。
「ンんッ…」
高く喘いで、体重を預けられ、俺はそれが嬉しかった。泡立つそこをまた少しずつ突く。終わらない。まだ全然治まらない。俺が妄想の中でスミちゃんを抱いて犯して陵辱して果てた数だけやらなければ。
「スミちゃん…スミちゃんの初めては、俺だよ?」
弱く突きながら首や肩を吸う。赤い痕がついた。果てて濡れたペニスを撫でる。萎みかけている。亀頭にザーメンを塗りたくるように指の腹でタップする。腰がぴくっぴくっと跳ねた。あともう一度スミちゃんが射精したらやめるつもりで、緩く突き上げ、元気のないペニスを弄り回す。裏筋を捻るように触り、根元から擦り、柔らかい袋を揉む。ぐったりした身体が反応を見せるのが楽しくて、やめられなかった。
「スミちゃん…」
「う…ぁ…あぁ…」
呼び掛けると離れようともがいて、腹に手を回し阻止する。
「ほら、鞠ちゃんて、呼んで。それも忘れちゃったの?」
優しくペニスを扱いて、耳の裏に顔を埋めて語りかける。
「もぉ、で、な…いたい…やだ…」
消え入りそうに言われて、また我慢出来なくなって滅茶苦茶に抱いてしまった。
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