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電話しつつ……編 3 剥き出しの

 先週、他店から臨時でヘルプに来てくれてた、とかだっけ?  清楚な感じの美人……だったような気がする。何度か整備の方へ顔も出してたから、若い奴らが目をハートにさせてた。  印象は悪くなかった。  整備のきったない現場でも表情ひとつ変えることなく笑顔だった。感じの良さそうな美人。  もちろん、真紀と並んだら、お似合いのカップルとかなんじゃねぇ?  けど、やんない。  これは俺の。 『三國さん?』  上品な声が真紀を呼んでる。  ほら、ちゃんと返事しないとダメじゃんか。 「あ、いえっ……すみません。えっと」  けど、俺はかまうことなく続けた。  部屋の中、ベッドでもないところで半裸にだらしなく剥いた真紀の股間にキスをして、俺も窮屈なスーツを適当に脱ぎ散らかしっぱなしで。  酔っ払ってアルコールに浸った熱っぽい口で咥えて、赤くなっている舌で丁寧に舐めてから、もっとたっぷり、しゃぶった。  電話をまだ続けてるのも気にせず好きな男にフェラしてる。 『レストラン……』 「あ、あぁ! そうです! レストラン! 本当に雰囲気のいいお店でした」  俺の。 「っ、……っ」  俺のだからって。  返事が止まりそうになると、少しだけ、咥えるのをやめて、舌先で突くんだ。ほら、答えが止まってるって。  それにも興奮してくれる真紀の喉仏が何度も上下に動いてる。何かを飲み込むその仕草を眺めながら、丁寧に舌で舐めて、唇でキスをした。 (誉さんっ)  真紀のペニスに。  美味しそうに。 (まだシャワーもっ)  俺が先に部屋を出たのに、バスで向かった俺より早くに待ち合わせの場所に到着してた。迂回ルートのバスだったから、真っ直ぐ最短距離じゃないけど、それでも普通はバスの方が早いだろ? すげぇ走った? 汗かくくらい?  それをたまらなく美味そうにしゃぶった。 「っ」  汗かいたかもしれないのに、今、フェラされてることに興奮する?  しゃぶりつく唇を見つめる視線を感じながら、丁寧に舐めていたら、真紀の大きな手が結構伸びてきた俺の髪をかき上げた。  顔見たいんだ?  いいよ……ほら。  見せびらかすように舌をその先端に巻きつけてから、口にできるだけ深く咥えた。 『三國さん?』  ほら、呼んでる。 「は、はいっ」 『あの、よく予約取れましたね。すごく人気のレストランなのに』 「え、えぇ」  ほら、向こうは誰と行ったのか知りたがってる。電話を切ろうとしない。お前がどんな女とあのレストランに行ったんだろうってさ。けどクソ真面目なお前は自分からは切れない。紹介してもらった義理があるから。 『私も行ってみたくて、でも予約ずっと満杯だったから』  行ってみたかったんだってさ。お前と。 「平日だったからかな、取れ、ましたっ」  強く吸ったところで、真紀が息を呑んだ。口の中で暴れたそうに真紀のが硬さを増して、先端からは苦いのを零してる。 (誉、さんっ)  やだよ。  離してやんない。  そう伝わるように口に咥えて、頬を窄めながら硬くて太いペニスをもっと口いっぱいに頬張った。喉奥が苦しくなるくらいにできるだけ咥えたら、真紀がわずかに腰を揺らして、俺の喉を犯してくれる。あとで俺の身体の奥までねじ込んでくれるこれで。真紀は、早く、狭くて深い場所まで挿し貫きたそうに、ペニスで舌の濡れた感触を確かめて、擦って、上顎を刺激する。  知ってる? 口の中でさえ、お前となら気持ち良くなれるんだ。  真紀のを咥えてるとさ、俺の喉奥から身体の奥まで全部、蕩ける。  舌を伸ばして猫みたいに舐めてみせると、よく見たいって真紀がまた俺の髪に触れる。触れられるとどこでも気持ちいいから、俺はまた興奮して、今度は頬の内側でペニスの先端を撫でるように咥えてから、片手で握って扱いて。  チラリと覗き見ると、真紀が喉を鳴らしてた。  自分のペニスを舐めて愛撫する俺を眺めて。だから、鼻先を埋めるようにしながら、真紀のペニスの根本に優しく歯を立てた。キスマークがつくように、少しだけ甘噛みして、痛くないように口付けて。 「っ」 『素敵でしたか?』 「えぇっ」  前にしたじゃん。俺に。レンの元彼だっつってんのに、俺にはそんなの目に入ってないっつってんのに、ヤキモチやいて、電話中の俺に……。  これはその時のお返し。あの時、電話の向こうに声聞かれそうでさ。すげぇ焦ったんだからな。 「ん……んむ」  そんで、すげぇ。 「は、ぁっ」 『三國さん?』 「すみません。急いで、帰ってきたばかり、で」  すげぇ興奮したんだ。  見せびらかすように電話の向こうへ俺の声を聞かせる意地悪なお前に。お前の見せてくれた露骨なくらいの「独占欲」にたまらなく興奮して何度でもイけた。 『そうだったんだですか。今まで外に?』 「え、えぇっ」  お前も、興奮する? 俺がさ、今、してるこの意地悪に。露骨なくらいに剥き出しにした「独占欲」に。 (真紀……)  興奮する?  何度でも俺の身体の奥でイけるくらいに。 「っ」  シャツだけをかろうじてまとわりつかせるように着ているだらしのない半裸の姿で真紀にキスをした。リップ音は聞かせてやらないし、真紀の色っぽい声だって俺は聞かせてやらない。電話の向こうになんてゾクリともさせてやらない。  これは俺のだから。 (真紀の、これ、使わせて)  勃起の形をなぞるように手を這わせて、撫でてから、半裸のまま跨った。床に座っている真紀と向き合うように跨って、その唇に噛みついてから、孔の口で先端を撫でると、ぬるりと濡れた。真紀のカウパーで。 (言って) 『三國さんって、あの、今、誰かと』 (今、好きな) 「すみません」  誰にもやらない。  こんな俺をこんなに溺愛する物好きなんて、これから先、一生見つからないし。見つからなくていい。 「今、恋人といるので」 『あの、三く、』  電話を切った真紀が怒った顔でスマホを部屋へと放る。俺に齧り付くようにキスをして、脚を広げられた。  俺は、これから先、一生、これ以上好きになる男は見つからないだろうから。 「もう、貴方はっ、一体っ」 「あ、あ、あっあああああああ!」  だから誰にもやれないんだ。この男のことは。 「あんまり、煽らないでくださいよっ」 「あっ、ン、真紀っ」  そして、腕を伸ばして、独占欲を剥き出しにしてしがみついた。

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