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夏祭りだ!編 7 欲しい身体
いい男、って思うよ。
着痩せするタイプの真紀は高身長のせいもあるのかスーツの時はスラリとしていてさ。けど、脱ぐと筋肉質で。
抱かれたいって思う身体をしてる。
欲しいって思わせる身体。
それが浴衣に包まれて、まるでご馳走みたいだった。
ひん剥いて、口付けて、自分一人のものって独占できたら最高なのにって思わせる。
「誉……」
「あ……ン」
ベッドの上に足を伸ばして座ると、覆い被さるように真紀がやってきて、その重みに少しだけスプリングが傾く。
そして、その重みを受け止めるように手を伸ばすと、真紀も俺の腰に手を当てて、引き寄せてその腕で捕まえてくれる。
真紀の脚が俺の脚の間に割り込んできたから、必然的に俺は脚を開かないといけなくなって、浴衣の合わせ目が。
「ン、あっ」
浴衣が乱れてく。
「なぁ、このまんますんの?」
「はい」
「けど、今日、けっこう汗かいたからって、おいっ」
「やだ、無理。します」
そこ、断言すんだって、片言なのなんでって、笑いかけて。
「あっ! ンっ」
けど、笑うより先に何かに急かされてるような真紀の唇が首筋に触れて、口から溢れたのは笑い声じゃなくて、喘ぎ声だった。
「今日、ずっと浴衣姿の貴方をこうしたくてたまらなかったんです」
いい男、って思う。
「色っぽくてずっとドキドキしてた」
「あ、ン」
欲しいって思わせる身体、してた?
「職場じゃなかったらすでに襲ってた」
「ン」
「浴衣姿見たかったからとても楽しみにしてたんです」
「あ、ちょ」
浴衣に包まれて、まるでご馳走みたいだった?
なぁ、ひん剥いて、口付けて、自分一人のものって独占できたら最高なのにってさ。
「ずっと我慢してた。早く独り占めしたくてたまらなかった」
「んんんっ」
思ってくれた?
「あ、真紀」
とろける。
そんな強く見つめられたら、欲しいって顔されたら、ゾクゾクする。
「ここ、赤くなってる」
「え? 何」
「襟、擦れちゃったんですね……赤い」
「ひゃっ、ぅっ!」
ヒリついた肌は感覚がむき出しになってるみたいに敏感で、唇が触れただけで、その刺激に飛び上がりそうなくらい。
まだ肌に口付けてもらっただけなのに。もう感度振り切れてる。
「あ、あ、あっ」
なんか。
「こっち、足も、痛くさせてしまって。明後日の仕事、大丈夫かな」
「あ……ン、ぁン」
やばい。
そっち系は苦手なはず、なのに。
痛いのは、好みじゃない、はずなのに。
「ぁ……」
「誉」
目が合った。射抜くように強い視線に思わずごくりと喉が鳴って。その喉元にもキスをされながら、不埒な手が脚を広げたせいで乱れていく浴衣の中に潜り込む。
「あ、あぁぁ、ン」
下着越しに撫でられただけで腰を自分から突き上げるくらいに、気持ち良くなれるなんて。
「濡れてる」
「っ、言わないで、いいっ、から」
興奮、してる。
「すごい……トロトロ」
「言う、なって」
目眩がした。
「! ちょおっ、ちょっと、真紀、ダメだって」
マジで汗かいたから。今日は暑くて、スポットクーラーはやってたけどさ、それでも暑いものは暑くて。だから汚いって、そう言っても、今日の真紀は強引で聞いてくれないらしい。
「本当にっ、つ、あ、あぁぁぁっ」
制止の声もかまわず、下着をズリ下げられて、すでにガチガチに硬くなってたそれが跳ねた。その先端からじわりと滲むカウパーで濡れてるのを口でされて、つま先まで快楽に痺れてく。
「あっ……」
やばいくらいに気持ちいい。
「あ、ン」
しゃぶりつかれて、脳天沸騰しそうになる。じゅる、なんて卑猥な音を立てて、あの清廉潔白そうな唇にしゃぶりつかれて、腰が勝手に揺らめく。真紀の口で与えられる快楽に頭の芯までとろけてく。
「やぁ、ン」
むしゃぶりつかれて、つま先がキュッと力を込めた。
「っ」
そのつま先、鼻緒に擦れて皮がむけて剥き出しになっている部分が力んだ瞬間、ヒリヒリと痛んで。変な感じ。痛み混じりの違和感が真紀の口でされてる快楽と合わさって混ざり合って。
「っア、!」
腰が跳ねて、真紀の喉奥をわずかに突くのを止められない。
「ごめっ、つ、あぁっ、アッ」
痛みに快がってる、なんて。
「待っ、ア、嘘、待てって、っつ、んんんっ」
何、これ。
「ちょっ、マジ、で」
興奮する。真紀が、その上品で優しい唇で足の指にキスをした。ちょうど鼻緒に擦れて真っ赤になった部分にキスをされて、そんなとこダメっていうのと、真紀にそんなことをされる興奮とが混じる。
おかしくなりそ。
「あ、あ」
つま先からやばいくらいの興奮に襲われる。
恥ずかしいのも、痛覚も、全部が快楽混じりで。
「ぁ、真紀」
もっと、されたいって思う。
「真紀ぃ」
抱いて欲しいって思う。めちゃくちゃに抱かれたいって。
「ぁ……」
浴衣に包まれて、まるでご馳走みたいだったこの男に責められたくて。
「中、に、指、挿れて、早くほぐして」
ひん剥いて、口付けて、自分一人のものって独占できたら最高なのにって真紀が思ってくれた、俺も思ってた。だから、早く独占してと、ねだりながらヒクつくそこに自分の指を僅かに挿れて。
「誉」
「ぁ……あぁっ、ン、ぁ、指」
早く抱いてと、誘った。
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