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夏だ、海だ、青……編 8 最高潮
「いつ買ったんですか?」
「っ、ネット、で」
話すと、喉奥の熱がひどくて声がひっくり返りそぅになる。
「ネットで?」
「真紀に見つからないように、コンビニで受け取って」
「コンビニで。もっと見ても?」
「っ」
コクンと頷くと、真紀のでかい手が膝に触れた。ただそれだけで、ヒュッ、って喉がヒリついた。
「色」
変、だった? 変、だったよな。
「誉さんの肌にとても似合ってます」
「っ」
「すごく似合ってる」
「っ、あっ」
嬉しくなった。
「下着もすごく似合ってます」
真紀が。
「やらしい……」
よかった。
ちゃんと、興奮してる。
「誉……」
「っ」
真紀が前髪を掻き上げて、表情をしかめて、俺だけを射抜くように見つめてる。息を乱して、物欲しそうに喉を鳴らしてる。
真紀が俺に興奮してる。
それが嬉しくて、たまらなくて。
「っ、あっっ、っ」
覆い被さるように首筋にキスをされただけでイクかと思った。
「っ、あっ」
「これ」
首筋にきっと濃いキスマークがついた。俺は足をだらしなく開いたまま。後ろに手を置いて、もう奥が熱くておかしくなりそう。
「貴方のやらしい下着と浴衣姿に、もう……」
「はっ、すごいな、それ」
「さっき貴方の中でイかせてもらったのに」
そう言われて、身体の奥が思い出してジクジク火照っていく。
同じだよ。昼間、真紀ので奥を突かれてイったばっかなのに。
「見ただけで、もうこんなになってる」
言いながら、真紀が浴衣を持ち上げるくらいに硬くなったそれを、浴衣の裾をめくって下着越しに見せてくれた。
痛そ。
それから、硬くて、すげぇ。
「ね?」
気持ち良さそう。
もう奥が辛くなるくらいに、切なくて、恋しくて、あれが欲しくてたまらなくなってる。
あれで奥まで貫かれたら、きっと。
「真紀、こっち」
口を開けた。舌も少し出して。
「しゃぶらせて」
そう囁いたら、真紀が喉を鳴らしながら、俺の目の前に立ち塞がった。俺もすぐに座り直して、真紀のを口に丁寧に含んでいく。
「ん……あ、む」
さっきは口でできなかったから。余裕もないし、急いでいたから。丁寧に、撫でるように舌先で頬の内側で真紀のを。
「っ、誉、さんっ」
「さっき、口でできなかった」
「っ、したかったっ、んですかっ?」
その質問に答えないまま唇で答えの代わりになるように丁寧に口付けた。根本にキスをして、口いっぱいに頬張ってから、また先端だけにキスをすると、たまらなそうにピクンと跳ねる。そのままパンパンに膨らんだそれにもキスをして。
「っ、っ」
下腹部に力を込める度に気持ち良さそうに跳ねてるそれをもう一度口に含んだ。
「も、出そうです」
「ん」
「誉さん。ありがとうございます。すごく気持ちいいです」
「っ、あっ」
今度は押し倒されて、そのまま、真紀のをしゃぶって濡れた唇にキスをされながら、太ももの内側を撫でられて、気持ちがほろほろに解けていくのを感じる。
「あっ」
指の挿入に腰が浮き上がる。長い指は躊躇うことなくするりと奥まで挿入されて、中を小刻みに擦ってくれた。気持ちいいところばっか。
そこも好き。
「あっ、真紀っ」
ここも好き。
ゆっくり撫でられるとゾクゾクする。
「あぁっ」
浅いところを撫でてから、指で孔の口を広げられると、たまらなくなる。
「あぁっ」
気持ちいい。真紀の指。さっきは性急に中をほぐす動きだった。早く早くって、繋がりたいからって、忙しく俺の中を熱っぽく擦って馴染むように柔らかくしていったけど。
「あ、あぁっ」
「中、すごく柔らかい」
「っ」
今は、ほぐすんじゃなくて、俺の中を味わうように動くのがたまらない。あとでここに挿入したらきっと気持ちいいって思いながら、指を動かされてるのが、切なくて、もどかしくて、焦ったくて。
気持ちいい。
「さっきしたから」
「あ、ぅ……ン」
「誉さんの中が、とろとろで気持ちいぃ」
そう低い声で呟いて、真紀が丁寧にじっくりと深いキスをくれた。舌を絡めて、唾液が溢れるのも構わず、口の中をその熱い舌で掻き混ぜながら、指でも奥を掻き混ぜられていくのがたまらなく良くて、腰が勝手に揺れるんだ。
「はっ、あっ……」
「すごいな。興奮してクラクラする」
「あ」
「貴方の艶姿、最高です」
そんなの思うのは、真紀だけだ。
「浴衣、いいです」
「あっ」
いつの間にかだらしないほど着崩れた浴衣の中に手を差し込まれて、乳首をキュッと抓られた。感度、ひどく上がってる。肩にキスをされただけで腹のところがジクジクする。
「下着」
「っ」
「履いたままでもいいですか?」
「っ」
「誉さん」
「い、よ。真紀のために、履いた、んだから」
息を飲んだのが聞こえた。
「あっ」
心許ないレースの布を真紀の指が撫でて。横にずらすと。
「っ、真紀っ」
恥ずかしくて、頭、爆発しそうだ。
「はみ出てます」
「も、バカ、言うなっ」
「最高にやらしいです」
「っ、あ、あぁあ」
そのまま紐をずらしたまま挿入されて、はみ出た先端から胸に飛ぶくらいに熱が飛び散った。
「あ、あ、あぁ」
「すごい……挿れただけでイクくらい気持ちいいですか?」
「も、言うなっ」
イッたばっかの中を味わうようにゆっくりじっくり動かれると切なくて、おかしくなりそう。
「あぁっ」
「っ」
「あ、真紀の、硬い」
「っ」
「あ、あ、あ、もっとそこ、擦って」
「誉」
「あぁっ、もっと、真紀、ぁ、イク」
だんだんと早くなる動きに翻弄されながら今度はシーツに掴まった。しがみついて、浴衣がぐしゃぐしゃに着崩れるのも構わず、真紀の動きに夢中になってただ喘いで。
「誉」
「あっ、あぁ」
「俺にしがみついて」
「ああ、あ」
「愛してます」
「あぁっ」
最高だ、そう思ったのと、低い声が呟いたのは同時だった。
「っ、あっ」
中、奥で弾けたのと、下着をぐちゃぐちゃにするほど達したのも同時で。
「すごい」
「真紀」
「誉さん」
お互いの名前を丁寧に、大事に、幸せそうに呟いたのも、同時だった。
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